Western
Ancient History

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ユリウス・カエサル Gaius Julius Caesar  前100-前44

古代ローマ時代の将軍・政治家。名門の出身であるが、平民派を地盤として急速に政界で地位を築いた。前60年ポンペイウス・クラッススと結んで第1回三頭政治を行う。前58〜52年にはガリア知事に就任し、全土を征服してローマ化したが、ポンペイウスが元老院と結んで召還を決議したため、前49年ルビコン川を渡ってローマに進撃。スペイン、エジプトなど各地を転戦する。その後、救貧事業、植民市建設、ユリウス暦の採用などに尽力したが、前44年に終身のディクタトルとなり文武の大権を一身に集めたため、元老院で共和主義者のブルートゥスらに暗殺された。

1929.4.21 イタリア発行


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ウェルキンゲトリクス Vercingetorix  前82-前46

ガリア人のアルウェルニ族の貴族。ガリアにおける反ローマの気運が頂点に達した前52年、彼を指導者としてガリア諸部族がほぼ総決起した。焦土化作戦を実行し、兵糧調達を困難にすることでカエサルに苦戦を強いるが、アレシアの攻防戦に敗れ、他の人々の助命を条件に降伏した。ローマに護送され、6年後、カエサルの凱旋式に参列した後で殺された。

この稿を書くにあたって、『ユリウス・カエサル ルビコン以前 ローマ人の物語4』(塩野七生/新潮社)と『甥に語る中世』(レジーヌ・ペルヌー/福本秀子・訳/パピルス)を参照したのですが、読み比べて思わず苦笑してしまいました。歴史を専門とされるお二人にして、イタリアびいきかフランス人かでこうもきれいに立場が分かれるか、という感じ。当方はなるべく中立の立場で書いたつもりでありますが。

1966.11.5 フランス発行
【歴史シリーズ第1集】


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古代ローマ時代のガリア人像

1986.2.11 スイス発行
【ビンディニッサ市2000年】


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アウグストゥス帝 Gaius Julius Caesar Octavianus  前63-14

古代ローマの初代皇帝(在位前27-14)。カエサルの甥で彼の養子となり、カエサルが暗殺された後、政敵を討ってアントニウス、レピドゥスとともに前43年に第2回三頭政治を成立させた。レピドゥスの失脚後、クレオパトラと結んだアントニウスをアクティウムの海戦に破り、前30年エジプトを支配下に置いた。前28年、元老院からプリンケプス(市民の第一人者)の称号、さらに翌27年にはアウグストゥス(「尊厳する者」の意)の称号を受け、スペイン、ガリア、シリア、エジプトを含む広大な属州の統治を委任された。その後、独裁権、終身の執政官職を与えられ、実質的にはローマ帝政を始めたが、元老院その他の共和政の制度は残した。軍事的には、養父カエサルより消極的で、領土の防衛を主としたが、政治家としてはきわめて優れており、領土拡張より内政の充実に重点を置いて「ローマの平和」(パクス・ロマーナ)をもたらした。

1929.4.21 イタリア発行


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ブレジャーで発見された金貨

クラウディウス帝 Tiberius Claudius Nero Germanicus  前10-54

ローマ皇帝(帝位41〜54)。名門クラウディウス家の出身。帝位につくまでは学問と享楽の生活をおくり、リウィウス、キケロを好み、エトルリア史、カルタゴ史を著した。病弱で風采も上がらず、政治へも介入しなかったが、41年カリグラ帝の暗殺後、近衛軍に推され帝位についてからは善意と博識をもって統治を始めた。ブリタニアに植民するなど属州支配を重視、諸都市を建設して、法律を整備。元老院は形式的に尊重したのみで、近衛軍、解放奴隷を重用し、あるいは彼らに操られた。その他、伝統的祭儀の復興、ユダヤ人のローマ追放、オスチア建設などに努めた。第3の妃メッサリナを陰謀のとがで処刑し、姪のアグリッピナと結婚、彼女の子ネロを養子とする。妻の手にかかり毒殺されたといわれる。

1993.6.15 イギリス発行
【ローマ時代の工芸品】


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トラヤヌス帝 Marcus Ulpius Crinitus Trajanus  53-117

ローマ皇帝(帝位98〜117)。五賢帝の一人。スペイン出身。ライン地方のサツルニヌスの乱を討ってドミティアヌス帝に認められ、次帝ネルヴァの登位後、上ゲルマニア知事となり、ネルヴァの養子としてその後継者になった。即位後は元老院を尊重して穏健な政治を行い、多くの土木建設事業を行った。対外政治にも積極的で、ダキア・パルティア・アッシリア・メソポタミアなどを征服して、ローマ帝国の最大版図を実現したが帰途にキリキアで病死した。

1974.6.25 スペイン発行
【スペインのローマ文化】


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ポイティンガー図

ローマ帝国の広大な領土の統括のため、ローマを中心に建設されたローマ道を地図化したもの。4世紀に制作。道路に沿う都市・宿駅や里程を示した一種の道路地図で、12〜13世紀に忠実に模写されたものを16世紀の人文学者ポイティンガーが所蔵していたことからポイティンガー図と呼ばれている。 地図の範囲はヨーロッパはもちろん北アフリカ、セイロン島までの広大な帝国の勢力圏を含んでいる。原図は幅34cm、長さ7mにも及ぶ長大なもので東西方向に著しく引き伸ばされている。街道は赤色、海や河川は緑青色で示され、中心的な都市は玉座につく人物像が描かれている。細長い地図に描かれたため、方位や陸地の形は無視され、デフォルメされた地図になっている。

1999.11.24 イタリア発行


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ガルバ皇帝のコイン

紀元19年、ローマはアウグストゥス帝自ら出陣して、北部カンタブリア地方のケルト人を制圧。200年の年月を費やしてバスク地方をのぞく全土を平定した。その後イベリア半島各地に植民市が誕生、それを守るためにローマは軍隊を駐屯させた。北部カンタブリア山脈の南山麓に近い場所には第七軍団(Regio Septima)が置かれた。レオンの市名はこのRegion(軍団)からきている。

1968.6.15 スペイン発行
【ローマ第7軍団によるレオン建設1900年】


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ローマの元老院議員像

1967.6.1 ポルトガル発行
【新民法典施行】


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ローマ時代の金貨  270〜273年

1976.11.23 東ドイツ発行
【東ドイツの考古学出土品】p


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300年頃
ガラスの水指
3世紀
1986.10.16 西ドイツ発行 1986.10.16 西ドイツ(ベルリン)発行

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腕輪
紀元前3世紀
アテナの皿
紀元前1世紀
ローマ時代の腕輪
4世紀
1987.10.15 西ドイツ(ベルリン)発行 1987.10.15 西ドイツ(ベルリン)発行 1987.10.15 西ドイツ発行

《目次》

参考文献:
 『ブリタニカ国際大百科事典』
 『切手が伝える地図の世界史 −探検家と地図を作った人々−』(西海隆夫/彩流社)