1952年に発表され、カーネギー賞を受賞した、人間の家の床下に住み、
生活に必要なものはすべて人間から「借りて」生活している小人の一家の物語。
彼らからすれば「借りる」ことでも、人間からすれば「盗む」ことなわけで、
小人といっても魔法が使えるわけでもない父親のポッドが「借りに」行くのはそれこそ命がけ。
とはいえ、器用なポッドのおかげでなんとか平穏に暮らしていた一家でしたが、
外の世界に憧れる娘のアリエッティが、病気療養のために上の屋敷にやってきた男の子と
知り合いになったことがきっかけになって家政婦に気付かれ、追われるように
出ていく羽目になります。
小人たちの生活、性格の描写が実に詳細で、楽しめるファンタジーであると同時に、
現代文明の行く末に大きな危惧を抱いていたという作者らしいストーリーの作品です。
しかし、私の読み落としでなければ、ポッドとアリエッティが弓持って、ネズミさんとすれちがう
なんてシーンは無かったんですが・・・(次作の『野に出た小人たち』あたりのシーンでは?)
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