Notebook


2014.11.15 アルノ・ラウニック ソプラニストリサイタル
2014.10.4 メルビッシュ湖上音楽祭 ガラコンサート
2013.10.19 クリスティアン・ベザイデンホウト フォルテピアノ・リサイタル
2013.7.7 アントニーノ・シラグーザ テノール・リサイタル
2012.1.8 ニューイヤーコンサート2012 ウィーン・フォルクスオーパー
2011.1.10 ニューイヤーコンサート2011 ウィーン・フォルクスオーパー
2010.1.11 ニューイヤーコンサート2010 ウィーン・フォルクスオーパー
まほうのふえ
2009.3.24 ヴェッセリーナ・カサロヴァ オペラ・アリアの夕べ
2009.1.11 ニューイヤーコンサート2009 ウィーン・フォルクスオーパー
2008.11.16 エヴァ・メイ&アントニーノ・シラグーザ デュオ・リサイタル
辛口指揮者批評本
オペラ本は愉しい
若手とベテランの基準って?
Reclamの「OPERN」

来年のニューイヤーコンサートの指揮者ルドルフ・ビーブル、これがご高齢のマエストロの見納めなのだそうで、うーん平日夜か・・・と思いつつ、そろそろチケットを買いに行く算段をしないとなあ、などと考えていた9月末。月末になると、夕刊の文化面に「来月の公演」なるページが掲載されまして、今頃知らせてもらってももうチケット無いでしょー、と思いつつ、一応クラシックのところだけチェックは入れているのですが、紙面を広げた瞬間、マエストロのお写真が目に飛び込んでくるじゃありませんか。

うそお、まだ1月じゃないんだけど、と思いながらお名前の出てくる公演を探すと、ありました、「メルビッシュ湖上音楽祭ガラコンサート 瀬戸市文化センター ソプラノのダグマー・シェレンベルガーら」。
えー!!! 熱愛するチューリヒの「メリー・ウィドウ」、そのハンナですよ! 慌ててネットで詳細を検索。いつの間にやら彼女、メルビッシュの総監督になってたんですねえ。歌手は4人なんだそうで、他に知った名前はテノールのモンタゼーリ。・・・またキミか、という感じでしたが。

是非とも行きたい! しかし1週間後の話であります。ドキドキしながら「ぴあ」のサイトにアクセスしたら、在庫状況は「○」。なんでこのぎりぎりにそんなに余裕があるんだ? と訝りつつ、月曜日の仕事帰りにコンビニへ寄り、ありがたく無事チケットを発券していただいたのでした。
というわけで遠路はるばる瀬戸市文化センターまで行ってきました。栄で名鉄瀬戸線に乗り換えて終点まで。そこからさらに800m(但し上り坂)。

ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ヴェネツィアの一夜』より
 序曲 「麗しのヴェネツィア」
ヨハン・シュトラウスII: ポルカ・シュネル「トリッチ・トラッチ・ポルカ」
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ウィーン気質』より「こんにちは、懐かしい愛の巣よ」
ヨハン・シュトラウスII: 「シャンパン・ポルカ」
ヨハン・シュトラウスII: 「ほろ酔いの歌」(アンネン・ポルカ)
クライスラー: 愛の喜び
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ヴェネツィアの一夜』より
 「さすらいのつばめ」 「みんな仮面をつけて」
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ「春の声」
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『こうもり』より「ぶどうが火と燃える情熱となって」

ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『こうもり』より序曲
レハール: オペレッタ『メリー・ウィドウ』より「ヴィリアの歌」
レハール: オペレッタ『微笑みの国』より「君こそ我が心」
カールマン: オペレッタ『伯爵家令嬢マリッツァ』より
 「ヴァラシュディンへ行こう」 「来てくれ、ジプシー」
レハール: オペレッタ『メリー・ウィドウ』より
 舞踏会のワルツ「メリー・ウィドウ・ワルツ」 「メリー・ウィドウ・ワルツ 唇は閉じても」
オスカー・シュトラウス: オペレッタ『ワルツの夢』より「そよ風の吹く庭で」
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ウィーン気質』より「ヒッツィングはお祭り騒ぎ」
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『美しく青きドナウ』
ヨハン・シュトラウスI: ラデツキー行進曲

どうせ隅っこでしょ、とろくに見ちゃいなかったからなんですが、入り口でチケットを切ってもらった後、席を確かめて、あり? っとなりました。前から10列目しかも結構中央寄りと、狙ってだって獲りたいような席。
会場の扉を開けた瞬間、謎は解けましたが・・・。思わず口あんぐり。1階席の前半分しか人いません。こんなガラガラの会場見たの初めて(・・・シャレになってないんですけど)。いつもの愛知県芸術劇場のコンサートホールがいかに豪華であったか痛感させられる会場自体の殺風景さも相まって、これで出演者のモチベーションはどうなっちゃうんだと不安でいっぱいに・・・。

いささか足元がおぼつかなげにマエストロ・ビーブル登場。そのせいでしょうか、指揮台もなし(楽譜も無し!)。始まった「ヴェネツィアの一夜」の序曲は、・・・軽やかで楽しい! 続く「トリッチ・トラッチ・ポルカ」でダンス登場だったのですが、女性ダンサーに張り合うように男性が踊るシーンがありまして、そのどや顔に、曲の途中にもかかわらず会場から起きる拍手。うん、これなら今日のコンサート、いける! それにしても、こんなに少ない観客相手でも手を抜かない出演者の皆様のプロ根性にただただ感謝。

心配の種さえ消えれば、なんたって前から10列目です。いつものニューイヤーコンサートと同じ値段しか払ってないというのに、声はまっすぐ飛んでくるし、歌手の表情は良く見えるし。ここしばらく、笑いをとりにいく場面があんまりなくて、さみしい思いをしていたのですが(ゆえに、感想もさぼってしまったのですが)、「ほろ酔いの歌」のペピちゃんのはじけっぷりに、そう、そう、オペレッタはこれでなくちゃ! とこちらのテンションも上がり調子。

後半最初の「こうもり」序曲で、鐘の音ってあの楽器から出てくるのか、初めてまともに見たな〜、なんて思ってたら、次の「ヴィリアの歌」の前に通訳とともにマエストロ・ビーブル登場。
「この曲にはコーラスの部分があるのですが、我々はコーラスを連れてきていません。会場の皆さまにお手伝いいただきたいのです。」
何と! というわけで観客一同、マエストロの指揮でコーラスの練習をしたのでありました(もちろんハミングでしたけど)。こんなオモシロいことやってくれると知ってたら、歌詞しっかりさらってきたのに〜(笑)。説明があっさりだったので、本番、ハンナのソロのはずのとこから歌ってる人が多数発生したのがご愛敬、でしたが。
アンコールは「トリッチ・トラッチ・ポルカ」を再度演奏してくれました。

初めて生で聴いたシェレンベルガーですが、高音が辛そうなのは録音で聴いてたとおりですね。でもこの人は舞台の上での身のこなしがすっごい巧い! 中でも受けたのは「ヴァラシュディンへ行こう」で、舞台でもやってるだけあって、抜群のノリだったのはもちろんなんですが、デュエットの途中でダンスのペアが舞台に出てきて、男女ペアが入れ替わって踊りながらフィニッシュする趣向だったんです。で、女性ダンサーと並んで拍手を受けていたジュパン役のバデアに向かって、行くわよ! ってあごをしゃくってみせた仕草が、めちゃ面白かったのでした。

もう一人のソプラノ、シェルは2007年のメルビッシュの『ウィーン気質』でペピ役だったそうで(映像で見たのはダブルキャストの別の人でしたが)、こういう役にはぴったりですね。歌も良かったですが、演技も楽しかったです。

真正面で聴いたせいか、毎度印象に残らないモンタゼーリも、悪くなかったです。ただ、「君こそ我が心」みたいなド直球の歌ならまあ見てられるんですが、メリー・ウィドウのデュエットのダニロ役は・・・うーん、キミ、その佇まいじゃカミーユだ・・・。

というわけで断然印象に残ったのがもう一人のテノール、アレクサンドル・バデア。なかなか張りのある声で声量も十分だったのですが、何より芝居気があって、見てて楽しい! 「ヴァラシュディンへ行こう」でコミカルなジュパンを歌ってくれたと思ったら、次の「来てくれ、ジプシー」のタシロもこの人で、今度は脱いだ上着を肩に引っかけて、やさぐれ感たっぷりに登場。後半になったら、ヴァイオリン奏者からヴァイオリン借りて弾き始めるじゃないですか! これが結構な腕前で、会場はやんやの大喝采だったのでした。
『ワルツの夢』の「そよ風の吹く庭で」はテノール2人の二重唱だったので(こんな曲です)、多分モンタゼーリがニキでバデアがモンチだったのであろうと推理しますが、それというのもこの人の方に“ちょっと企んでます”的雰囲気が良く出てたからなんですね。
何でもモネ劇場の「天国と地獄」のDVDではオルフェ役で、バイオリンの腕前も披露しているとか。5年前にカラフで来日してるそうなんですが、芸達者さが要求される役で是非また見てみたいです。

終演後、CD購入者へのサイン会。サインは欲しかったのですが、DVDは日本語字幕なしの輸入盤だけしか置いてないし、音だけCDで聴くならメルビッシュじゃなくてもいいんですが・・・。第一、本日の出演者の出てるディスク、無いときてるし(商品化されてるのはシェレンベルガーの『マリッツァ』のDVDだけでしょうが、それすら見ませんでしたよ?)。うーんと悩んだ挙げ句、「ジプシー男爵」のCDを購入し、出演者の皆様のサインはチラシの裏にいただいてきました。シェレンベルガーには『メリー・ウィドウ』のDVDにも。(主役カップルのサインコンプリート^^。)

・・・そう、会場で初めてお目にかかったチラシ、今どき珍しい片面印刷で、出演者の写真も載ってなかったんです。輪転機で刷ったとおぼしきプログラムには、出演者の概略は載ってましたが、曲目が載っているだけで、演目の解説も曲の解説もなし。私は、『ヴェネツィアの一夜』と『ワルツの夢』は、見たことはなくても話の筋くらいは知ってましたが、初めての人には何が何やら、だったのではないかと想像します。歌ものは、どんな内容なのか、ざっくりでも知りたいのですけど・・・。そういえばアンケート用紙が配られない公演ってのも初めてでしたねえ。
ボストリッジのチケットを買った際に電気文化会館の会員になりましたもので、以後定期的に案内が送られてくることに。もっとも、私のように極端に好みが偏っていると、アンテナに引っかかってくる方が珍しいのですが、その珍事が起きたのが「クリスティアン・ベザイデンホウト フォルテピアノ・リサイタル」。ピアノ曲なんてほとんど聴かないのですけど、モーツァルトは古楽器系を偏愛する私、当時のピアノで弾くモーツァルトというのに興味をひかれまして。ところが日程をよくよく確認したら、たまたま休日出勤とバッティング。やむなく断念。

残念に思っていたら、今年も来日してくれるというので(今度は場所は宗次ホール)、知っている曲が入っているプログラムだったこともあり、聞きに行くことに決めました。割とぎりぎりにチケットを買ったのですが、一番前の席が買えました。手が見えないアングルなので残ってたのでしょうけど、ピアノ弾きでない私、その点に大してこだわりはないので近さを優先。
というわけで、お初にやって参りました、宗次ホール。ちょいと場所が分かりにくかったのですけど、こぢんまりしていて、なかなかいいホールなんですね。

モーツァルト:
ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282
アダージョ ヘ長調 K.Anh.206a
キラキラ星変奏曲
(フランスの歌「ああ、お母さんに聞いて」による12の変奏曲 ハ長調 K.265)
ロンド イ短調 K.511
ソナタ 第11番 イ長調「トルコ行進曲つき」K.331

アンコール
ソナタ第16番 K.545 第二楽章アンダンテ


会場に入ると舞台の上にフォルテピアノ。うわあ、かわいい! グランドピアノに比べると、すっごい小さいのです。ペダルも無いし。
登場したベザイデンホウトは長身痩躯なので、ちょっぴり窮屈そうにも見えたりして。

フォルテピアノ、見たのも初めてなら音を聴くのも初めてでしたが、モダンピアノの重厚感とは全然違う軽やかな音。時々音色が変わってチェンバロっぽく(金属的に)なるのもまた面白い。
解釈がどーとかそいういうことは全然分からないのですけど、確かなテクニックに支えられた音の転がりの軽やかなことといったら! そしてまた弱音の響き! もうひたすらうっとりと聞き惚れました。いやー、ピアノ曲をこれほどの集中力で聴ける日が来るなんて想像もしてなかったです。
どうみても大ホールには向かない楽器なので、たくさんチケットを売りたい場合には向かなそうですけど、やっぱりモーツァルトを聴くならこの音だわ〜、と実感です。モダンピアノでは、どう考えてもこの軽やかさは無理ですもの。
アンコールの曲がYouTubeにあったのでリンク。

終演後、フォルテピアノ所有者の梅岡俊彦氏による楽器説明があって、舞台に上がって楽器の構造を真近で見せていただけました。ペダル、無い! って思ってましたが、鍵盤の下にあって、膝で押すようになっているんですね。右で響かせて、左で弱音にするんだとか。
ロビーに上がるとサイン会をやっていて、勿論1枚購入、サインをいただいてまいりました。見た目通りの好青年でした(笑)。また来日してくれたら、是非聴きに行きますよ〜。
2012.1.8 ニューイヤーコンサート2012 ウィーン・フォルクスオーパー
毎年恒例のフォルクスオーパーのニューイヤーコンサート。例によってやたらと売り出しは早いにもかかわらず、今年など、チケット買いにいったのは12月に入ってからという遅さだったんですが、3階の右サイドという、例年同様の席が買えました。
指揮はオーラ・ルードナー、歌手はウシャコーワとモンタゼーリという一昨年と同じ組み合わせ。ただ、去年同様踊り手2組つきなのが一昨年と違うところですね。歌手はまあ、2度も聴いてますし・・・ですが、指揮のルードナーはなかなか好印象だったので、バイオリンの腕前ご披露など、楽しみにしてました。

ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『こうもり』序曲
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『こうもり』から「チャールダーシュ」
レハール: オペレッタ『ジュディッタ』から「君こそわが太陽」
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『ウィーンの森の物語』
クライスラー: 美しきロスマリン
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ジプシー男爵』から「魅惑の昨夜に」
ヨハネス・ホリク: 一月一日〜ヨハン・シュトラウス風
            〈サントリーホール25周年記念ワルツ〉

ロッシーニ: オペラ『どろぼうかささぎ』序曲
レハール: オペレッタ『メリー・ウィドウ』から「ヴィリアの歌」
レハール: オペレッタ『ジュディッタ』から「友よ、人生は生きる価値がある」
ヨハン・シュトラウスII: すみれポルカ
ショスタコーヴィチ: オペレッタ『モスクワ・チェリョームシキ』から「ワルツ」
レハール: オペレッタ『パガニーニ』から「誰も私ほどあなたを愛してはいない」
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『美しく青きドナウ』

会場入り口まで行ってみたら、なにやら張り紙が。なになに、ウシャコーワがキャンセルで、代役がアンドレア・ロスト! 代役の方が格上じゃないですか。
4年前に「こうもり」で聴いたロスト、あの時ですら随分危なっかしい歌だなあ、と思いながら聴いていたわけですけど、多分ウシャコーワよりは(彼女が2年で急成長していない限り)期待が持てるはず。ちょっと楽しみになりました。

案の定というか、4年ぶりの「チャールダーシュ」は相変わらず細かいコントロールに苦労してるなという印象でしたが、「ヴィリアの歌」が良かったです。気になるところが皆無というわけにはいきませんでしたが、テンポがゆったりめの分、情感がこもっているのがストレートに伝わってくる感じ。手持ちの音源ではなんとなく物足りなさを感じてましたし、生でこれだけ聴けたら大満足。
それにしても声の美しさと声量は健在ですね。例年この辺の席ですが、こんなにも声がよく聞こえたのって初めてかも。おかげでモンタゼーリの声の無さが妙に目立った感じもあり。ちなみにお着替えは無しで、前後半とも赤のイブニングドレスでした。

2年前は弾き振りだったと記憶していた『ウィーンの森の物語』は、今回はツィターの独奏つき。「小鳥売り」の映像で見たことはありますが、生演奏は初めてで、嬉しかったです。
ショスタコーヴィチにオペレッタなんかあったんだなあ、とびっくりの選曲だった「ワルツ」ですが、同じ3拍子なのに、ウィンナワルツの軽やかさとは全然違って、ロシア的哀愁に満ちた曲になっていたのが面白かったです。それにしても不思議だったのは、一昨年に引き続いてオーストリア=ハンガリー帝国ともオペレッタとも何の関係もなさそうなロッシーニの序曲がプログラムに入っていたこと。好きだからいいですけど(笑)。

笑いをとりにいく場面が例年よりも少ない? と思っていたのですが(すみれポルカで、メイドさんの格好をした踊り手が指揮者にもはたきをかけていたくらい)、東日本大震災に対するお見舞いのメッセージが最後に読み上げられていたので、そのせいだったのかもしれません。

アンコールの1曲目は「メリー・ウィドウ」より「唇は黙し」。プログラムに“指揮&バイオリン”としっかり書いてあるのに全然弾いてくれないけど、プログラム変更の影響なのかなあ、って思ってたのですが(クライスラーはもともとコンマスのソロの予定ですし)、やっとここで弾いてくれました。2曲目は「ハンガリー万歳」。ロストがハンガリー人だから? 「こうもり」でもこの曲聴いたなあ、とやや感無量。ラストはお約束の「ラデツキー・マーチ」と拍手。曲が終わるやいなやの轟音と平土間席に飛び込む銀色のテープ、も3度目となれば、お、やっぱり、てなもんでしたが(笑)。
2011.1.10 ニューイヤーコンサート2011 ウィーン・フォルクスオーパー
毎年恒例になりつつあるフォルクスオーパーのニューイヤーコンサート。例によってやたらと売り出しは早く、あらかたチケットがはけた頃にのんびり買いにいくのも同じく(笑)。今年の席は3階の右サイド。
しかし例年にないのが出演者の豪華さ。テノールのリンゲルハーンは知らない名前ですが、ソプラノはイルディコ・ライモンディ! 宮廷歌手の称号を持ってる人ではないですか。しかも指揮者はルドルフ・ビーブル再び。おまけにいつもは楽団+歌手2人なのですが、今年は踊り手2組までついてるときてます。別にタイアップしてる行事もなさそうだけど、何なのこの豪華さは? と思わず首を傾げてしまったほど。

その代わりというわけでもないでしょうけど、前半の歌ものはツィーラーとかジーツィンスキーとか、あんまり聞かない名前だな、と思いながらYouTubeを検索してみたところ・・・。ツィーラーの方は○し撮りっぽい映像しか見つからなかったのですが、ジーツィンスキーはどっちゃり出てきてびっくり。私が知らないだけで、有名な曲だったんですね〜。ドミンゴとかプライとか(リヒャルト・タウバーなんてのも)。

スメタナ: オペラ『売られた花嫁』序曲
ヨハン・シュトラウスII: ポルカ・シュネル『百発百中』
ツィーラー: オペレッタ『観光案内人』から「おおウィーン、愛しのウィーン」
ツィーラー: オペレッタ『観光案内人』から「美しく懐かしきドナウの町」
ツィーラー: ワルツ『ウィーンの娘』
モンティ: チャールダーシュ
ジーツィンスキー: ウィーン、わが夢の街
ハイドン: 交響曲第45番嬰ヘ短調「告別」から第4楽章

スッペ: オペレッタ『ウィーンの朝、昼、晩』序曲
スッペ: オペレッタ『ボッカチオ』から「恋はやさしい野辺の花よ」
カールマン: オペレッタ『マリッツァ伯爵令嬢』から「ウィーンによろしく」
ヨハン・シュトラウスII: ロシア行進曲
レハール: オペレッタ『メリー・ウィドウ』から「ときめく心に唇は黙し」
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『ウィーンの女たち』
ヨハン・シュトラウスII: ポルカ・シュネル『電光石火』
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『美しく青きドナウ』

名古屋はツアーの最終の公演で、それまでに何かあったんでしょう、女性の踊り手が1人出られなくなってしまったのですが、それを逆手にとって、男2人が女の子を取り合う振り付けになっていて、それはそれで面白かったです。そうそう、『百発百中』ってこの曲(2007年メルビッシュ「ウィーン気質」)だったんですね〜。

前半のラストはハイドンの「告別」最終楽章。楽団員がちょっとずついなくなってってしまうので有名な曲。これこそ生で観るのをとっても楽しみにしていたのですが、お酒の瓶を片手に仲間を連れ出しに来たりとみなさん芸達者(笑)。楽譜を照らすランプを消しながら出て行くもんだから舞台がどんどん暗くなって・・・って趣向も面白かったです。
モンティのチャールダーシュも、オーケストラで聴くのは初めて。クラリネットがソロというのもめずらしいのじゃないかと思いますけど、なかなか印象的でした。あと、確かツィーラーのワルツだったと思いますが、口笛の合奏なんてのもありましたね。

2年前でもいい加減ご高齢でいらしたであろうマエストロですが、実にお元気でいらっしゃいました。
歌手のお二人は、割と印象に薄くって(あんまり小芝居も無かった気がします)。サイドって、歌を聴く席じゃないんだろうと思います、きっと・・・。

アンコールの1曲目、マエストロは傘を差して登場。??? と思ったら、曲は「雷鳴と電光」だったのでした(笑)。2曲目は去年に引き続いて「チャールダーシュの女王」から「踊りたい」のデュエット。ラストはお約束の「ラデツキー・マーチ」で、これまたお約束の場内拍手(笑)。曲が終わるやいなやの轟音と平土間席に飛び込む銀色のテープ、も去年同様。去年と違って心の準備はできてましたけど(笑)。
2010.1.11 ニューイヤーコンサート2010 ウィーン・フォルクスオーパー
昨年行って味をしめたフォルクスオーパーのニューイヤーコンサート。もっともこの公演、鬼に笑われそうなくらいチケットの売り出しが早いんです。そんな先の予定なんて分からないし、と11月になってからやっとチケット買いに行ってちゃ、もうほとんど売り切れなわけですが、3階の左サイドをゲットすることができました。去年とはちょうど反対側。今年の予定曲目は「マリッツァ」も「ウィーン気質」も知っているので、特に予習もせず、正月休み明けの三連休の最終日、愛知県芸術劇場まで行って参りました。

ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ジプシー男爵』序曲
カールマン:
  オペレッタ『マリッツァ伯爵令嬢』から「ジプシーが弾くヴァイオリンを聴けば」
カールマン: オペレッタ『マリッツァ伯爵令嬢』から「ウィーンによろしく」
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『シトロンの花咲くところ』
レハール: オペレッタ『メリー・ウィドウ』から「ときめく心に唇は黙し」
ヨハン・シュトラウスII: 無窮動/音楽の冗談
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『ウィーンの森の物語』

ロッシーニ: オペラ『ウィリアム・テル』序曲
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ウィーン気質』から「ほろ酔いの歌」
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ヴェネツィアの一夜』から
  「ああ、なんと素晴らしい眺めだろう」(入り江のワルツ)
ドヴォルザーク: スラブ舞曲ホ短調
ブラームス: ハンガリー舞曲第1番ト短調
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ウィーン気質』から「これがなくちゃあ許せない」
レハール: オペレッタ『微笑みの国』から「私の心のすべてはきみのもの」
ヨハン・シュトラウスII: ポルカ・シュネル『ハンガリー万歳』
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『美しく青きドナウ』

・・・まだまだ修業が足らないので、「ほろ酔いの歌」が『ウィーン気質』の曲で、「入り江のワルツ」が『ヴェネツィアの一夜』の曲とは知りませんでした(チラシには載ってなかったんです)。一応YouTubeで検索してみるべきでしたね〜。「入り江のワルツ」はあったんですから・・・。

今年の指揮はオーラ・ルードナー。初めて聴くお名前でしたが、長身痩躯でよく動く! 指揮するお姿がワルツみたい。指揮の良し悪しが分かる私ではありませんが、とにかく眺めてるだけで楽しくて飽きなかったです。元はコンマスをされていたとかで、自らヴァイオリンも弾かれまして、「メリー・ウィドウ・ワルツ」なんか、歌手カップルよりも目立ってたような気が(笑)。『ウィーンの森の物語』も弾き振りでした。“無窮動”という曲は初めて聴きましたが、変奏しながらずっと続けることができる曲なのですね。最後「オシマイ」で終わったはずが、オケの一部がまだちょこちょこと演奏したりして。慌てたように「オワリ〜」と言ってくれて、大爆笑でした。

歌手は去年と同じくウシャコーワとモンタゼーリの2003年メルビッシュ「ジュディッタ」主役カップル。去年よりも歌手には近くなったので(出てくる時の小芝居は見えませんでしたが)、なるほど、ウシャコーワ、美人だわ、などと(笑)。もっとも歌の印象は去年と同じ。まあサイドで聴いてるんで席が悪いのかもしれませんが・・・。
ピンクのタイトなドレスに解き流した髪で登場のウシャコーワ、声の魅力は去年よりも感じられたのですが、なんかかなりの割でオケに声がかき消されてたような気が・・・。「サロメ」なんか歌う人なんだから、声量が無いわけないんでしょうが・・・。後半お着替えしてくれまして、今度はスカートのふくらんだ白とえんじのドレス。グラス片手に「ほろ酔いの歌」。指揮者の足を抱え込んだりして歌ってくれて、達者な酔っぱらい演技が楽しかったです。指揮のルードナーも困ったような身振りをしていて、これまた可笑しかったですね。
モンタゼーリの方は、まあ安定して響いてはいるんですけど、なんとなく声にざらっとした感触があるのが気になりました。

アンコール第1曲目、皆様グラス片手に登場(ウシャコーワはティアラもつけて)。去年は「乾杯の歌」だったけど・・・と思ったら、あ、「チャールダーシュの女王」! 「踊りたい」のデュエットでした。2曲目は定番「ラデツキー行進曲」。もちろん手拍子つき。そして曲が終わるやいなやすさまじい轟音! 平土間席に飛び込む銀色のテープ。巨大クラッカーだったんですね〜。あー、びっくりした。一瞬花火かと思いましたよ。
ツェレの街中を散策中、見かけたポスター。“Die Zauberflöte” ならぬ “Das Zauberflötchen”。「小魔笛」ってなとこでしょうか。ハンブルクのオペラハウスの引越公演みたいです。

「モーツァルトの音楽」であるとはっきり謳ってありますから、翻案ものではなく、確かに「魔笛」(の短縮版)なのでしょうけど、いかんせん、これで「魔笛」だと言われても、このポスターの誰がどの登場人物なのやら、さっぱり分かりません。
真ん中の男性からしてタミーノ? パパゲーノ? だし(さすがにザラストロってことはないと思う)、左右の女性は穏当に考えればパミーナとパパゲーナなんでしょうけど、どっちがどっちやら判別不能。あ、夜の女王って可能性もあるような気がしてきた・・・

帰国してから、ふと思いついて画像検索してみたら、主催者のページとか、こんなページが見つかりました。察するに、黄色い髪の男はタミーノで、パパゲーノは完全に鳥の扮装なのですね。夜の女王は完全にメイクが違うので、ピンクの髪がパパゲーナ、茶髪がパミーナというところでしょうか。

「子どものためのオペラ」だそうですが、初めてのオペラがこんなパンクな「魔笛」だった子どもたち、「魔笛」やオペラにどんなイメージを持つのかな〜?

一体どんな舞台なのやら、とかえって興味を引かれたのですが、すでにドイツ滞在最終日。休暇をさらに延ばせるはずもなく、あっさり断念、でありました。
ただでさえ平日の夜のコンサートともなれば、どたばたと職場を飛び出しているのですが、この日のチケットを取っちゃって、と言ったら同業の知人に絶句されたくらいに一年で一番忙しいときているこの時期。ぎりぎりまで時計とにらめっこで、正直キャンセルも覚悟しましたが、どうにか開演前にすべりこむことに成功しました。

そこまでして聴きたいほどご贔屓の歌手かというと、実はそうでもなく・・・。巧いけどなんとなく好みじゃないロッシーニだな、というのが印象でした。6月の新国立劇場の「チェネレントラ」のタイトルロールがこの人でなければ聴きに行こうとは思わなかったかも。演出ポネルで揃ったキャスト。特にラミロ役のシラグーザは大好きで、「理髪師」のアルマヴィーヴァならロジーナが誰だろうが即決で上京決行、なのですが、でもこれはやっぱりアンジェリーナが主役のオペラ。一応去年生で観ているし、キャストの揃った正規映像も持ってるし・・・。一度生で聴いてみて、それから考えようかな、とまあ、そういう動機でありました。そういう事情を反映して席は3階席の隅っこ。

登場のカサロヴァはこれでカルメン歌ったのかしら? って感じのスリットの入った赤のシンプルなドレス。髪はストレートでした。

ヘンデル:
 『クレタのアリアンナ』よりテーセオのアリア “美しき人よ、希望が湧きます”
 『アリオダンテ』よりレチタティーヴォとアリア
  “まだ生きているのか?” “不実な女よ、戯れるがよい、情人の胸に”
モーツァルト:
 『フィガロの結婚』よりケルビーノのアリア “自分で自分がわからない”
 『フィガロの結婚』よりケルビーノのアリエッタ “恋とはどんなものかしら”
 『皇帝ティトゥスの慈悲』よりセストのアリア “私は行くが君は平和に”

ロッシー二:
 『セビリヤの理髪師』よりロジーナのアリア(カヴァティーナ) “今の歌声は”
 『セミラーミデ』よりアルサーチェのレチタティーヴォとカヴァティーナ
  “ついにバビロニアに着いた” “ああ、いつも覚えている、我が栄光と充足の日を”
ビゼー:
 『カルメン』より ババネラ “いつになったら好きになるのか?・・・恋は野の鳥”
 『カルメン』より ジプシーの歌 “響きも鋭く”

で、実際に聴いた感想ですが、なんと申しましょうか、とっても不思議な歌唱でした。

定評のあるメゾソプラノを生で聴くのはお初でしたが、調子は良かったんだと思います。さすがと思う声量でしたし、高音もばっちり決まって迫力十分。

なんですけど・・・。初っ端のヘンデルでまず思いました。これ、ヘンデル?
一番馴染みが薄いのは確かですが、贔屓のメゾさんが歌うのをちょいちょい聴いています。歌詞は分からなくとも歌だけ聴いてて結構楽しめるし、と予習していかなかったら、さっぱりメロディーラインがとれないんですけど。この人のロッシーニが苦手なのは、やたらに強弱をつけたり、テンポ崩したりするせいなのですが、ヘンデルでもこれですかあ。

おまけに、こもった感じの発声の上に、終始ヴィブラートがかかっているもんだから、何歌ってんだかさっぱり分かりません(そりゃあ私はイタリア語分かりませんが、言葉の響きくらいは分かります)。低音も迫力があるといや聞こえがいいのですが、ものすごく野太く聴こえます。こんな野太いケルビーノあり? ととっても違和感。

馴染みのある「フィガロ」と「理髪師」はことごとく違和感有りだったのですが(チューリヒの「理髪師」、サンティの指揮に閉口しましたが、彼女の歌には合ってたんですね〜)、「皇帝ティトゥス」と「セミラーミデ」は、セリアとあってほとんど馴染みのない曲。これも“らしさ”くらいは分かるだろうと思って、予習しなかったのですけど・・・、どっちがモーツァルトでどっちがロッシーニよ? って感じ。逆になってても気がつかなかったと思います。

直前まで歌ってた「カルメン」くらいは、と思ったのですが(というか、カルメンに進出するからこんな歌になったのかしら、と内心勘ぐってたのですけど;苦笑)、これがまた・・・。BGMにアレンジされてたって一発で分かりそうなこの曲をもってして、へー、これがハバネラねえ、と思わせる不思議な歌唱。

声量不足とか、テクニック的に危なっかしいとか、調子悪いのかな、なんて聴いていて感じたことはありますが、こういう、何というか、自分の理解の届かないところで完結しているような歌唱を聴いたのって初めてです。
ただ、アンコールの1曲目の冒頭、宗教曲でも聴いているような、コントロールされた静謐な響きがあり、この時ばかりは聞き惚れました。すぐにパワーで押し切るような歌い方に戻っちゃいましたけど。

この歌を新幹線に乗って聴きに行く気はしないなあ、ということで、新国立劇場の「チェネレントラ」、諦めはつきました。しかし、あんな歌唱で舞台でモーツァルト歌ってたんかい、というのがとっても釈然としなかったので、YouTubeで“恋とはどんなものかしら”を見つけて聴いてみたら。

・・・別人28号。ちゃんとケルビーノに聞こえるじゃないですか!
それじゃあってんで、アリア集収録のセストのアリア(2つ目の方)も聴いてみたところが、最後まで聴き入ってしまいましたよ。これが生で聴けてたら文句なしにBrava! です。サイン会無くたって終演後CD売り場に走ります。何がどうなるとああなっちゃうんでしょう???

ピアノ伴奏だと一人と合わせればいいだけだから、余計に好きなように歌えちゃうってことなんでしょうか。素人耳にも元のオーケストレーションが想像できない、添え物的な印象しかないピアノ伴奏でしたが。しかしこのピアニストのサイラスって、「カルメン」の指揮をしてた人ですよね・・・?
去年はびわ湖まで「フィガロの結婚」を見に行った正月休みですが、今年は何も予定無し。じゃあ一つ、ニューイヤーコンサートでも聴きに行ってみるか、と調べてみたら、フォルクスオーパーのニューイヤーコンサートはなんと指揮者がルドルフ・ビーブル! ご存命のうちにメルビッシュにもフォルクスオーパーにも行ける機会はあるまい・・・という私としては、生で聴ける機会があるなんて嬉しい限り。早速チケットをゲットしました。

しかし、オペレッタ大好きとはいっても、プログラムに入っている曲は「こうもり」と「メリー・ウィドウ」しか知りません。「ジプシー男爵」も「ジュディッタ」も「微笑みの国」もまだ見たことが無い演目。それじゃ、とYouTubeを検索してみたら・・・、意外に全部見つかるものですね。
『ジプシー男爵』から「うまれつきやり手の俺は」ご当人の舞台映像で聴けました。このテノールのモンタゼーリ、DVDになっているフィレンツェ五月祭の「後宮からの逃走」のペドリッロ役だそうです。同じ演目からの「誰が私たちに結婚式を挙げさせたのか」映画版の映像がありました。
『ジュディッタ』から「私の唇は熱いキスをする」ご当人の舞台映像で聴けたのですが(ちなみにこの時のオクタヴィオがモンタゼーリだったそうで)・・・こちらはどうもピンとこなくてさらに検索。けっこういろんな人が歌ってる曲らしく、またやたらとネトレプコのがひっかかってきたのですが、こちらもピンとこず(英語字幕がついてたのは便利でしたが)。結局迫力美人のモッフォが一番お気に入りという結論になりました。ストラータスの映画版も歌は悪くないのですが、どうも清楚なのです。なんだか親の借金背負ってけなげに働く娘が背伸びした歌を歌わされてるように見えます・・・(本来、夫を捨てて駆け落ち、その相手とも別れてナイトクラブで歌っているという設定です)。 このソプラノのウシャコーワ、去年新国立劇場で「サロメ」のタイトルロールを歌った人ですね(なぜかプログラムには2004年とありましたが・・・)。
『微笑みの国』から「私の心のすべてはきみのもの」、あ、この曲だったのね、と聞き覚えがあったくらいですから、これこそどっさりあったのですが、これはビリャソンで。

というわけで一応予習もすませ、正月休み明け最初の日曜日、愛知県芸術劇場まで行って参りました。

ホイベルガー: オペレッタ『オペラ舞踏会』序曲
ヨハン・シュトラウスII:
  オペレッタ『ジプシー男爵』から「うまれつきやり手の俺は」
レハール:
  オペレッタ『ジュディッタ』から「私の唇は熱いキスをする」
ヨハン・シュトラウスII: エジプト行進曲
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『ジプシー男爵』から
  「誰が私たちに結婚式を挙げさせたのか」
クライスラー: 愛の喜び
ヨーゼフ・シュトラウス: ワルツ『神秘な魅力』

オッフェンバック: オペレッタ『天国と地獄』序曲
ヨハン・シュトラウスII: オペレッタ『こうもり』から「チャールダーシュ」
ヨハン・シュトラウスI: 幻想曲『エルンストの思い出、またはヴェネツィアのカーニヴァル』
レハール: オペレッタ『微笑みの国』から「私の心のすべてはきみのもの」
ヨハン・シュトラウスII: 新ピッツィカート・ポルカ
レハール: オペレッタ『メリー・ウィドウ』から「ときめく心に唇は黙し」
ヨハン・シュトラウスII: ワルツ『美しく青きドナウ』

席は3階の右サイド。丁度オケの真上あたりで、音響的にはどうなのか分かりませんが、オケが演奏してる様子からホルンがツバ抜きしてるとこまでとってもよく見えたのは、初心者には面白かったです。「エルンストの思い出」なんていろんな楽器の面白いソロが出てきますし。
交響曲や器楽曲を生で聴きに行きたい、とはあんまり思わない私ですが、やっぱりウィンナワルツはエンタテイメントで楽しい! 「エジプト行進曲」なんて、弾きながらコーラスも歌っちゃうんですよ〜。ウィーンのニューイヤーコンサートばりに「アケマシテ」(指揮者)「オメデトウゴザイマス」(楽団員)なんてのもやってくれました。ちなみに「愛の喜び」はコンマスの女性がバイオリンソロ弾いてました。

歌手さんは生で聴いてもあまり印象変わりませんでした。まあモンタゼーリのが安定してたと思います。「チャールダーシュ」、夏に危なっかしいのを何度も聴きましたが、ウシャコーワ、さらに危なっかしかったです・・・。「ジュディッタ」の曲の方も、どっちかというと演出で保ってた感じ。間奏でカスタネット叩いてくれて、後半はバラの花を客席にまきながら歌ってくれて、盛り上がりましたけどね(真っ赤なドレスでカルメンみたい!)。後半お着替えしてくれまして、今度はスカートのふくらんだブルーのドレス、ティアラもつけてました。
面白かったのは「唇は黙し」のデュエットで、終わって拍手の時にウシャコーワがビーブルのほっぺにキス。そしたらモンタゼーリがぼくにも、とジェスチャー。おねだりは成功したのですが・・・それ思いっきり激突じゃん(笑)。この曲、さわりをもう一度歌ってもくれました。

アンコール第1曲目はポルカ「雷鳴と電光」。これも4回も聴きましたねえ。楽しかった舞台を思い出して感無量でした。2曲目は「乾杯の歌」。思いっきりウィーンじゃない曲ですが、まあアンコールの定番ということなんでしょうか。お酒も出せますしね、ってことで勿論歌はグラス片手(笑)。おや、と思ったのがウシャコーワでした。これがなければ、カスタネットの上手さしか印象に残らなかったところでしたが、この曲は歌い慣れてるのか、抜群の出来とまでは言えないまでも、部分的にはダークな声がなかなか魅力的。きちっと声をコントロールできるなら、もっと聴いてみたいと思いました。最後は定番「ラデツキー行進曲」。しっかり手拍子もして盛り上がりました!

TVでウィーンの中継見るのもいいけど、やっぱり生のが楽しいわ(あっちは歌がないし)、というわけですっかり味をしめた私。指揮者は違えど、来年も来てくれるようなので、是非また行っちゃお、と目論んでいます♪
昨年は「セビリアの理髪師」のアルマヴィーヴァ、今年6月には「チェネレントラ」のラミロを堪能させてくれたシラグーザ。きっとこの人ならリサイタルも楽しいだろうな、行きたいな、と思ってたのですが、今年はエヴァ・メイとのデュオ・リサイタルとのこと。何歌うのかな〜、と予定曲目を見に行ったら。なになに「連隊の娘」に「愛の妙薬」? 「ドン・パスクァーレ」はまだ見てないけど、DVDで鑑賞できるあてがありましたし、見たことないベッリーニも単独アリアはどっちも知ってる。この曲目なら絶対行く! と迷わずチケットゲット。東京まで行かずとも、大阪で聴けるのもうれしいところ。新幹線代もばかになりませんし。

ドニゼッティ:《ドン・パスクァーレ》
  〜その眼差しの魔力を (メイ)
  〜もう一度、愛の言葉を(メイ&シラグーザ)
ベッリーニ:《清教徒》
  〜いとしい乙女よ、あなたに愛を(シラグーザ)
ドニゼッティ:《連隊の娘》
  〜高い身分と豪勢な暮しに・・・ フランス万歳!(メイ)
  〜マリーのそばに居るために(シラグーザ)
  〜何ですって?あなたが私を愛している?(メイ&シラグーザ)

カルディッロ:カタリ(メイ)
ララ:グラナダ(シラグーザ)
ベッリーニ:《夢遊病の女》
  〜おお、花よ、お前に会えるとは思わなかった・・・ ああ、この思いを乱さないで(メイ)
  〜この指輪を受けてください(メイ&シラグーザ)
ドニゼッティ:《愛の妙薬》
  〜人知れぬ涙(シラグーザ)
  〜そよ風に聞けば(メイ&シラグーザ)

いやあ楽しかったです♪ 大阪まで足を伸ばした甲斐があったというもの。
舞台の上に椅子が一つ置いてあって、これがけっこう演技に活用されてました。何度も共演しているとかで息ぴったりの二人、二重唱では本当にオペラの舞台が目に浮かぶようで、これはやっぱりどちらか一人ずつでは味わえなかった楽しさだと思います。メイが黒のファーストールでちょっかいかけると、スキンヘッドのシラグーザはそれを頭にかぶって笑わせてくれたり。「夢遊病の女」の二重唱はさすがに比較的シリアスモードでしたが、終わった後で小道具に使ったミニ花束を二人で押しつけあってました〜(笑)。
もちろん歌の方の息もぴったりで、「ドン・パスクァーレ」のデュエットなど絶妙のハーモニーを聴かせてくれました。メイのが背が高いので、二人で肩組んで歌ったりすると、なんとなく微笑ましかったですが(笑)。
ラストは、シラグーザが伴奏者を置き去りにしてメイを呼びに行き、「愛の妙薬」からの二重唱。嬉しいことに“一言だけ、アディーナ”のレチタティーヴォからだったんです。映像で何度も見た大好きな演目の一場面を、本当の舞台で楽しめた感じで幸せでした。
私の好きなブッファの雰囲気たっぷりで、この二人のコンビでで「連隊の娘」や「愛の妙薬」が見たい〜! と心底思いましたが、現実問題としては無理だろうし、少しでも雰囲気を味わえただけでも良かったと思うことにします。

全体にシラグーザのが調子良かったと思います。いつ聴いても安定感抜群で嬉しい限り。「いとしい乙女よ、あなたに愛を」ではばっちりハイDを決めてくれました。「マリーのそばにいるために」が、譜面見ながらだったのにはちょっとびっくりしましたが・・・舞台で歌ってるのに。

初めて生で見るメイ、とっても魅力的でした。何か、映像で見るより綺麗だった気がします。途中でお着替えもしてくれまして、前半は黒の上下でしたが、後半は襟ぐりの開いた白のブラウスに黒のタイトロングスカートでした。「その眼差しの魔力を」、途中でピアニストさんにちょっかいかけたりしながら、茶目っ気たっぷりに歌ってくれました。ただ、あんなにビブラートきつかったでしたっけ・・・? (このアリアは他ならぬメイのを愛聴してましたので。)

密かに楽しみにしていたのがアンコール。もともと大盤振る舞いしてくれるらしいシラグーザ、今回はメイと秘策を練っている、と聞いていましたので。
まずメイが「ラ・ボエーム」よりムゼッタの“私が街を歩くと”。歌いながらロングスカートの裾をちょっと持ち上げちゃったりして、これまた上品にもセクシー。
続いてシラグーザが「あぁ友よ、なんと楽しい日!」。前奏が始まったとたん待ってましたの拍手(笑)。一度は生で聞いてみたい曲だったので、まさに待ってました! でした。何でプログラムに入ってないのかな、と思ってたんですが、わざとアンコール用にとっときましたね? それにしてもまあ何と楽々とハイC出しているように見えること! 最後のハイCでは延々伸ばしながら時計まで見ちゃう余裕っぷりでした。
続いてはデュオで「オー・ソレ・ミオ」。またまた待ってましたの拍手(笑)。何よ、またあれ歌うの〜? て感じで楽譜を放り投げちゃうメイ(笑)。そりゃまあ、これシラグーザの十八番ですもんね。お互い相手に向かってオー・ソレ・ミオ〜♪ってやってたのが笑えました。
最後はグラスを片手に「椿姫」から“乾杯の歌”。メイが歌ってる間に、伴奏者にグラスのお酒飲ませるシラグーザでありました(笑)。

場所はサンケイホールブリーゼ。大阪駅から近いのはありがたかったですが、開場前に到着したのに大行列。階段は死角にあるし、表示は分かりにくいし。早めだった分それでも余裕持って席に着けましたが、1、2曲目が終わった後にかなりの人数が入場してきたのも、何かか分かる気がしましたねえ・・・。

次は是非とも、噂に聞くシラグーザの客席下りを見てみたいものです(笑;東京に平日の夜行くことはできませんから、来年のリサイタルは無理ですが・・・)。
たまには普通に読んで愉しかった本を(笑)。というわけで『図説指揮者列伝 世界の指揮者100人』(玉木正之+平林直哉/河出書房新社)です。

お、玉木正之の新刊だ、と書店で見かけて手に取ったこの本。オペラDVDコレクションの前説でも書きましたとおり、私もともとこの人のファンで、オペラに興味を持ったのも、この人の「オペラ講座」を聞きに行ったのがきっかけ(尤も即オペラ好きにはなりませんでしたけれども)。立ち読みして面白かったので、図書館でゆっくり堪能。すこぶる気に入ったので購入と相成りました。

これが、切手のページを作るためのネタ本探して手に取った本だったら、すぐに棚に戻したと思います。使えないですもん。出身国と生没年月日、写真はあるものの、特に経歴がまとめてあるわけでなし、中身は著者による指揮者評。でも、たかだかこれだけのスペースで、何年にどこで何をして、って略歴がまとめてあっても、正直私のような初心者には、それこそ調べ物にしか使えないというか、読んでもちっとも面白くなかっただろうということは想像がつくわけですよ。どっちかといえば独断と偏見というか、著者の嗜好を全面に出した辛口の文章なのですけど、その指揮者のイメージはくっきりと立ち上がってきます。お名前を目にしたり、何かの録音を聴いてからこの本を読めば、余計、ふむふむ、と思うことでしょう。このCD聴いてみようかしら、なんてことを思ったものもいくつか。実際聴いて気に入るかどうかはまた別の問題なのでしょうけれども。

まあ、ご贔屓の指揮者がいる方が読めば、何さ! とカチンとくる確率が高そうなのは確かですが、私は愉しく読みました。そういう私も、一人だけ指揮者のご贔屓ができてしまった身。彼が片面1ページの扱いで、一応オペラはほめられていたのに、ほっとしたのも事実ですけど(笑)。
これまた図書館のオペラコーナーを物色していて見つけた本。
いえね、最初のトピックが「オペラで一番もてる男」(つまりドン・ジョヴァンニ)だったんですが、何気なく欄外を見たらおすすめDVDなんてのが載ってまして、それがチューリヒ公演のDVD(ARTHAUSの方)だったんです。ご贔屓バリトンがタイトルロールとはいえ、私が見たいのはこれじゃなーい、と自分がパスした映像。何がそんなに気に入ったのかしら、と読んでみたら。

シェピ、アレン、フルラネット、ターフェル、ハンプソン、キーンリーサイド、ホロストフスキー、アルバレス、スコウフス、シュロット、とドンジョ歌手が取り上げられてるのですけど、全8ページを読み終わっても、ギルフリーの名前が出てこないどころか、フリムの演出にも言及無し。マッティの名前はないけどピーター・ブルックの演出は取り上げられてるし、デボラ・ワーナーの演出も出てくるんですけど。

人によって好みが様々な役だと思うので、完全スルーだったなら、逆に気にならなかったと思います。でも、ふつう“おすすめDVD”ってったらお気に入りの映像を挙げますよねえ。で、お気に入りの映像だったら、本文中でとりあげますよね、これだけスペースあるんだから。変わった著者だなあ、と逆に興味をそそられてしまった私。

「メリー・ウィドウ」で結婚に反対したのはダニロの両親じゃなくておじさんでしょ? とか、リヨンの「天国と地獄」DVD、おすすめするのは自由だけど、絶版(当時)だってことは一言入れておくべきじゃない? とか、ルートヴィヒ・フォン・ベートーヴェン? 一般的にはヴァン・ベートーヴェンでしょが(ドイツ語ではファン・ベートホーフェンだし)と、ところどころで引っかかりながら読んでいたのですが、一番びっくらこいたのが「ごひいきの歌手を見つける」という歌手紹介の項目。
アルゼンチン生まれのロランド・ヴィラゾン
・・・こ、この人ってメキシコ生まれでしょ? (公式サイトまで行って確認してしまいましたよ。)
北欧生まれのマグダレーナ・コジェナー
・・・チェコっていつから北欧になったんでしょーか・・・。

生年が書いてある歌手と書いてない歌手があったり、ドイツ生まれ・イタリア生まれとしか書かれてない歌手がいる一方で、ヴェローナ生まれ(ボンファデッリ)とかフランクフルト生まれ(シェーファー)とまで書いてある歌手がいるという不統一も気になったのですけど。
うん、まあこの辺は、間違った参考文献引き写しちゃったんでしょう、きっと。
でも、オペラを専門に本書いてる人がこれってどうなの? というのもあったんですよね〜。生まれは正しくペルーと書かれてたフローレスですけど、続きにこんなこと書いてあったりして。
ベッリーニのフランス語によるオペラ《連隊の娘》
・・・《連隊の娘》はドニゼッティでしょうが。
ライナー・トロストも、タミーノや《コジ・ファン・トゥッテ》のグリエルモなどで活躍している。
一番抱腹絶倒大爆笑だったのがこれ。
えー、某通販サイトでロドニー・ギルフリー(T:ペレアス)って書いてあるのを見たことがありまして、ドン・ジョヴァンニを歌うテノールがどこにいるんだよ、と内心ツッコんだものですが、まあ、この役はテノールとバリトン両方歌いますものね。
でも「コジ」のグリエルモをテノールが歌うかよ、っていうか、フェランドってったらトロストの当たり役じゃないですか!

いやはや、私のような半可通でもこれだけツッコミが愉しめる本があるとは、世の中広いです。実はこの著者の本もう一冊借りまして、こっちはどうかな・・・と思ったら、やっぱりありました。
ドン・ジョヴァンニは麻薬中毒のチンピラで、手下のフィガロは覚めた傍観者。
モーツァルト・パラレルワールド・・・?(笑)
オペラの本でこれはまずいでしょ、ってどなたか言わなかったんでしょうか。
あら、続きを読んでたら、こんなこと書いてありますよ。
オタクの楽しみは、アラ探しの楽しみでもある。
じゃあ、私ごときがこんな駄文をものしても、広い心で許してくださいますよね♪
ご本の題名は『石戸谷結子のおしゃべりオペラ』『オペラは見てのお楽しみ』でした。
モーツァルトのオペラが面白くなってきたので、図書館でモーツァルト関係の本など借りて読んでみようという気を起こしました。ところが・・・この某新書、私のようなにわか勉強の半可通にして足をとられる箇所が。
モーツァルト時代はバスと呼ばれていたが、現在はバリトンあるいはバス・バリトンあたりの声質の歌手たちだ。現在ざっと名を挙げるだけでも、サイモン・キーンリーサイドやロドニー・ジルフリーやアーウィン・シュロットといった人気バリトンに、トマス・ハンプソンやイルデブランド・ダルカンジェロらのベテランが加わって、たくさんの上演に対応できるようになっている。
えええ、ダルカンジェロって“ベテラン”だっけ? 気になったから調べちゃったじゃないですか。

  サイモン・キーンリーサイド(1959生 デビュー1988)
  ロドニー・ギルフリー(1959生 デビュー1986)
  アーウィン・シュロット(1972生 デビュー1998?)
  トマス・ハンプソン(1955生 デビュー1986)
  イルデブランド・ダルカンジェロ(1969生 デビュー1989)

なるほど、ダルカンジェロってデビュー早かったんだ。でもハンプソンがベテランなら、生年もデビューもそう違わないキーンリーサイドやギルフリーだってそうでしょ? ダルカンジェロやシュロットって、むしろバスだと思うし。シュロットとハンプソン入れ替えて、“ベテラン”を“若手”にしておけばすんなり頭を通過したのに、と思いましたです。
(も一つこの本、「ドン・ジョヴァンニ」初演の劇場が「国民劇場」って書いてあってまたびっくり。プラハには劇場が3つあってややこしいのは分かるけど、「国民劇場」ってったらチェコオペラ主体のナーロドニーでしょう。組織としてはどうもつながってるみたいですけど。チェコ語のスタヴォフスケー劇場か、訳して等族劇場か、せめて英語読みのエステート劇場と書くべきところだと思います。)
やれ実演だDVDだとオペラに大騒ぎするようになったら、こんなCD-ROMをもらいました。1997年のソフトとあって、OSにWindows3.1とか書いてあるんですが・・・XPでもちゃんと動いてくれました。

データベースソフトなんですが、作曲家、オペラ名のほか、用語や地名で引ける項目なんてのもあります。面白いのはアリアで引ける項目があること。クリックすると、ちょこっとだけですけど、有名アリアがちゃんと有名歌手の録音で聴けるんです。“Vittoria! Vittoria”これって「トスカ」だったよね、とクリックするとコレッリが聴けるという具合。「清きアイーダ」「誰も寝てはならぬ」はデル・モナコで「私の名はミミ」はテバルディ。たまにアリアじゃないのもあって、“Tanz der Stunden”これってもしかして? と思ったらやっぱり「時の踊り」でした。

オペラ解説ページからもアリアにとべるので、例えば「セビリアの理髪師」の項目では、バスティアニーニの「何でも屋」(ど、どっちが殿様ですか〜)とシミオナートの「今の歌声は」、シェピの「陰口のアリア」が聴けます。「ドン・ジョヴァンニ」にはちゃんと騎士長の“ドン・ジョヴァンニ〜”が入ってたりして(笑)。ろくにドイツ語読めない私なので、ほとんど宝の持ち腐れ状態ですが、このアリアの項目があるおかげでちょいちょい楽しめるCD-ROMになっています。欲を言えば、歌手解説ページからもとべたらなあ、と思うのですけど。

ちなみにこのソフト、人名という項目もありまして、おおむね指揮者・演出家・歌手などのオペラ関係者なのですが、時々原作者(シェイクスピアやボーマルシェ、メリメなど)なんてのもあったりしてなかなか面白い人選です。サルバドーレ・ダリなんて名前があったのには、何で? と思いましたが、コヴェントガーデンの「サロメ」の舞台を手がけてたりしたんですね。

歌手については、往年の名歌手は大体収録されてるようですが、現役歌手の収録基準は奈辺にあったんでしょうね〜(プロ野球なら10年前の選手年鑑なんて立派な“ネタ”本なんですが;笑)。バリトンでは、ホロストフスキー、ハンプソン、スコウフス、フィンリーはありましたが、キーンリーサイド、ギルフリーはなし。テノールではトロスト、サッカはありましたが、シャーデ、クーラ、アルバレスはなかったですね。ガーディナーのモーツァルトオペラで知ったお名前をクリックしたら、エルツェはパミーナを、マルジョーノはドンナ・エルヴィラをガーディナーの指揮で歌ったとか書いてあって、あらあら、なんて思ったり。
しかし、一番びびったのは、オペラ歌手としてはちょっと微妙だろうと思われるボストリッジが、ちゃんと入ってたこと、でありました・・・。

《戻る》