Stone

元素鉱物

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天然硫黄 Native Sulphur

硬度が低いため、大変もろく、割れ口は貝殻状になる。可燃性で独特の臭気がある。複屈折性が強く、透明結晶ではものが二重に見える。日本でも火山ガスに多量の硫黄が含まれている場所ではガス中の硫黄分が地表で結晶化し、現在進行形で硫黄ができているのを見学することができるが、時間的なゆとりがないため、結晶は大型のものにはならない。

1982.12.1 ニュージーランド発行


切手

自然銅 Copper

単体でほとんど存在しない鉄と異なり、元素鉱物として広く分布。銅鉱床の上部に地下水の作用でできるものと、岩石中に最初から自然銅としてできた場合がある。世界史上の産地としてはキプロスが有名で、銅の語源ともなった。結晶が集合して樹枝状になったものがよく見られる。

1992.9.17 アメリカ発行

硫化鉱物

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黄鉄鉱 Pyrite

成分は硫化鉄。色は金属のような光沢がある真鍮色。結晶は立方体、八面体、五角十二面体があるが、立方体が最も普通に採れる。世界中の鉱山で普通に産出する。

1982.12.1 ニュージーランド発行


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方鉛鉱 Galena

鉛の鉱石。色は鉛灰色で、立方体方向にきわめて完全な劈開があり、ずっしりと重い。成分は約86%の鉛と14%の硫黄からなるが、0.1%程度の銀を含有することもあって、かつては銀の鉱石としても利用された。閃亜鉛鉱と混じって算出することが多く、「鉛亜鉛」と通称される。

1994年 スペイン発行

ハロゲン化鉱物

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岩塩 Halite

岩塩の結晶構造が天然の放射能に当たって微妙な加減で歪んだために色が付いたもの。
日光のもとに置いておくと不整が直るためだんだんと色が消えてしまう。

1972.2.22 ドイツ民主共和国発行

酸化鉱物

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クロム鉄鉱 Chromite

クロムと鉄の酸化物。クロムの事実上唯一の鉱石で、耐火材としての用途もある。蛇紋岩の中に塊状になって入っている。結晶になることはきわめてまれで、ふつうは黒色の塊状鉱である。

1975.3 キューバ発行


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磁鉄鉱 Magnetite

普通は塊状だが、正8面体に結晶することも多い。色は黒く不透明で、金属質の光沢を持つ。 強い磁性を持ち、落雷などの影響で磁場の方向が揃うと磁力が強くなり、方向磁石にも使える。砂鉄は岩石中にあった磁鉄鉱の結晶が風化作用によって分離され、集積されたもので、顕微鏡で見ると正8面体の結晶をしている。

1979.9.10 モザンビーク発行

炭酸塩鉱物

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孔雀石 Malachite

銅の炭酸塩鉱物で、銅の器に生ずる緑青も似た成分のもの。銅鉱床の上部にできる。 色は半透明な緑色または黒緑色。 針状の結晶になることもあるが、普通は塊状で、縞模様を持っている。溶液中で沈殿しながら成長していくときに、この模様ができると考えられる。 かつては岩絵の具にも使われ、現在でも古美術の修復にはこれが用いられる。 現在の主要産地はコンゴ。

1972.2.22 ドイツ民主共和国発行


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藍銅鉱 Azurite

孔雀石と成分がほとんど同じで、銅の二次鉱床に一緒に産出することが多い。孔雀石同様岩絵の具としても使われる。銅鉱山の多いアメリカのアリゾナ州に有名産地がある。

1992.9.17 アメリカ発行

タングステン酸塩鉱物

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モリブデン鉛鉱 Wulfenite

元来は色がないが、クロム酸が混入するため黄色、オレンジ色、赤色と色づいてくる。アメリカとメキシコで産出することが知られる。
ウィーンのヴォルフェン神父が1785年オーストリア産について述べたものが最初の記録。彼の名にちなんで命名された。

1992.9.17 アメリカ発行


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鉄マンガン重石 Wolframite

黒くて重いタングステン鉱石。タングステン酸と鉄、マンガンが結合している。板状の結晶ないしその平行集合体となっておもに石英中に産する。板状の結晶と1方向の完全な劈開が特徴。

1971.9.24 ポルトガル発行

燐酸塩鉱物

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バリッシャー石 Variscite

主成分は燐酸とアルミニウムで、鉄などの不純物が入るために発色する。世界各地に産出するが、アメリカのユタ州のものが特に有名。

1992.9.17 アメリカ発行

珪酸塩鉱物

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1979.9.10 モザンビーク発行 1989.7.12 ブラジル発行

電気石 Turmaline

熱したり、摩擦したりすると静電気を帯びる。成分的には硼素を含む鉱物で、かなり複雑な化学組成をもつ。その主成分が様々に異なる10種が認められ、それぞれに名前がついている。3番目に多い電気石をリチア電気石といい、リチウムを主成分としている種類で、透明で美しいものは宝石になる(10月の誕生石)。さまざまな色彩があるが、紅色系と緑色系がよく知られている。柱面はきちんとした6角ではなく、丸みを持ち、断面は3角形に近い。

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軟玉 Nephrite

緑閃石の繊維状集合体の繊維が顕微鏡的な微少のスケールになり、肉眼的には緑色緻密な固まりになったもの。ひすい輝石の「硬玉」と並び真正な玉の一種。ふつうは草餅色であるが、白色に近いものもあり、それは透角閃石に属する。中国人はタクラマカン砂漠地方南方に産する軟玉を古代からたいへん愛好し、シルクロードによって中国に運ばれるいちばん重要な品物はこの地の玉であった。

1982.12.1 ニュージーランド発行


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エイラット・ストーン Elat stone

イスラエルのナショナル・ストーン。イスラエルの最南端の都市エイラットの銅山から二次鉱物として産出。この銅山はソロモン王のものであったと信じられているため、「ソロモン王の石」とも呼ばれる。

英語版ウィキペディアでは孔雀石、藍銅鉱、トルコ石、クリソコラ(珪孔雀石)の混合物となっているが、珪孔雀石そのものとしている情報もあり。
珪孔雀石は、成分が珪酸塩なのでこの名がある。X線的にはほとんど非結晶であるが、あまり研究が進んでいない。色彩は美しいが質がもろくて宝飾用に加工できないので、樹脂を浸みこませて研磨に耐えるように処理している。

1981.12 イスラエル発行


【台湾の鉱物】

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北投石 Hokutolite

台湾の北投温泉で初めて発見された。温泉の沈殿物が堆積してできたもので、成分は硫酸バリウムと硫酸鉛、放射能をもっている。新鉱物として発表されたが、現在では重晶石の亜種ないし変種とされている。

1997.5.8 中華民国発行


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1986.2.8 フィンランド発行


宝石編

参考文献:
 『宝石』(崎川範行著/保育社カラーブックス)
 『楽しい鉱物図鑑』(堀秀道著/草思社)
 『たのしい鉱物と宝石の博学事典』(堀秀道編著/日本実業出版社)

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