獣角形の杯で下端に小孔が開いたもの。
リュトンで酒を飲むときには、まず親指の腹でリュトンの下端の小孔を押さえてから
酒を注ぎ、親指を離して直接口に流し込むか、あるいは流れ出る酒をまた別の酒杯に
受けてから飲んだ。
なぜこのように面倒なことをしたのかというと、動物の形をしたリュトンの中を通す
ことによってその酒が動物の体内の精力を吸収し、霊酒になるという考え方があった
からであろう。
(古代オリエント博物館パルメットより)
Archaeology![]()
リュトン
獣角形の杯で下端に小孔が開いたもの。
リュトンで酒を飲むときには、まず親指の腹でリュトンの下端の小孔を押さえてから 酒を注ぎ、親指を離して直接口に流し込むか、あるいは流れ出る酒をまた別の酒杯に 受けてから飲んだ。 なぜこのように面倒なことをしたのかというと、動物の形をしたリュトンの中を通す ことによってその酒が動物の体内の精力を吸収し、霊酒になるという考え方があった からであろう。 (古代オリエント博物館パルメットより) ![]() ![]() ラスコーの壁画
フランス・ドルドーニュ県にある旧石器時代の洞窟遺跡に描かれた洞窟画。1万7000年前にクロマニヨン人によって描かれた。1940年に付近で遊んでいた少年たちによって発見された。
野生の馬、牛、羊、ヤギなどが黒、赤、黄、褐色などを使って多彩に描かれ、さらに矢で射られた 動物、野牛に襲われた人類など約500の彩画と刻線画を含んでいる。 スペインのアルタミラ洞窟と並んで、最も有名な旧石器時代の絵画である。 1968.4.13 フランス発行 ![]() ![]() アルタミラの壁画
スペイン北部フランコ・カンタブリア地方にある後期旧石器時代の洞窟遺跡に描かれた原始絵画。1879年、考古学愛好者であったサウトゥオラが9歳の娘マリアを連れてこの洞窟を訪ねたときに偶然発見された。
この壁画は旧石器時代の絵画の最初の発見例であるとともに、きわめて保存が良く、写実的に描かれていることで著名である。野牛、イノシシ、馬、鹿などが赤と黒を主体とした彩色でいきいきと描かれている。図案の《うずくまるビソン》では、作者は岩のふくらみと亀裂を作品に取り込んでいる。 1967.3.27 スペイン発行 ![]() ![]() カルナック列石
フランスのブルターニュ南部にある新石器時代および青銅器時代初頭の遺跡。巨石記念物として知られる。列石は、メネク、ケルマリオ、ケルレスカンの3群にわかれ、それぞれ立石が東西方向に列をつくって並んでいる。メネクでは両端に環状列石があり、その間を11条の列石が結んでいる。平均幅100m、長さ1167m、立石数1169。ケルマリオでは10条の列石のみで、その平均幅は101m、長さ1120m、立石数1029である。ケルレスカンでは一端に環状列石が見られ、それに続いて13条の列石が800mある。最大幅139m、立石数594。石の大きさの最小は高さ50cmくらいであり、最大は6mを超える。これらの列石群の正確な役割は想像の域を出ないが,天文学説に結びつく解釈が最近唱えられている。付近にはこの遺構に関連したとされる古墳が多く知られ,なかでも最大の聖ミシェル古墳は全長217m に達する。
1965.7.10 フランス発行 ![]() ![]() ナスカの地上絵
ペルー南部のナスカ渓谷に栄えたナスカ文化が、付近の砂漠に残した無数の溝。
平原は地表から5〜10pまでの表層が鉄酸化物をたくさん含んだ灰色の石で、その下は白い石灰質であり、その石灰質が見えるところまで灰色の石をとりのぞけば白い線を描くことができる。 サル、ハチドリ、クモ、渦巻きなどのさまざまな形の中には100mを越える大きさのものも少なくなく、空からでなければ全体を見て取ることはできない。このように大きな絵は、まず小さな絵を描き、それを測量によって拡大することによって描いたと考えられる。 絵の意味については、天文と関係があるものと考えられているが、詳細は不明。 ナスカ文化はこのほか、優れた彩色土器、織物、金属工芸などを残した。 左上部の人物は、地上絵の研究に一生を捧げたドイツの数学者、マリア・ライヒェ。 1986年 ペルー発行 ![]()
【シュリーマン】 Heinrich Schliemann 1822-1890 ドイツの考古学者で、トロイア、ミュケナイなどの発見者。貧しい牧師の家に生まれ、大商人として財をなしたのち、ホメロスの叙事詩にあるトロイアの地を小アジアのヒッサリクと推定して1870年に発掘を開始した。4度にわたる発掘で、丘から多層の城壁や宮殿、住居の跡を発見し、トロイア文明を設定。次いでミュケナイ、さらにオルコメノス、ティリンスを発掘してミュケナイ文明を提唱し、エーゲ文明研究の端緒を開いた。
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参考文献:
『アルタミラ洞窟壁画』(ベルトラン監修/大高保二郎・小川勝・訳/岩波書店) 『シュリーマン 黄金発掘の夢』(エルヴェ・デュシェーヌ/青柳正規監修/創元社) |