Art Gallery

切手

《十字架の下の軍夫》

リーメンシュナイダー Tilman Riemenschneider  1460?-1531

ドイツの初期ルネサンスの代表的彫刻家。1483年以後ビュルツブルクに住み、1520-21年には同市の市長となったが、1925年ドイツ農民戦争に連座したかどで禁錮刑に処せられた。大理石による作品もあるが、木彫作品に彼の本領が発揮された。明快な写実性のうちに、ゴシック的な敬虔で静かな宗教感情を漂わせたものが多い。代表作《アダムとイブ》(1491-93年 ビュルツブルク マイン・フランケン美術館蔵)、木彫祭壇にはローテンブルクの聖ヤコプ教会の祭壇(1499-1505年)やクンリンゲンの巡礼聖堂の祭壇(1505-10年ころ)などがある。

1981.5.7 ドイツ連邦共和国発行


切手

《家族》

ムーア Henry Moore  1471-1528

英国の彫刻家。ヨークシャーに坑夫の子として生まれる。奨学金を得て美術学校に進むが、学校よりも大英博物館で見たメキシコの先コロンブス期の石彫をはじめとする原始彫刻や未開彫刻に関心を持つ。1929年には『横たわる人体』を制作、横臥像は生涯のモティーフになった。その後ブランクーシやシュールレアリスムの影響を受け、抽象的な作品を手がける。第2次大戦後は再び人体像を制作した。横たわる海辺の小石など自然の形態に学んだ、有機的なフォルムのうちにヒューマンな情感をたたえた造形と穴やくぼみを重視した空虚空間の強い効果で知られる。

1993.5.11 イギリス発行

【現代美術】


切手
《ブラック・カスケード》
1959
《無題》
1965
《後足で立つ馬》
1928

アレクサンダー・カルダー Alexander Calder  1898-1976

ペンシルバニア州ローントンに彫刻家の父と画家の母の子として生まれる。
エンジニアを志してスティーブンズ工科大学に進む。
1926年、パリを訪れ、針金や布でできた人形を操るサーカスを上演して有名になる。
1930年、モンドリアンのアトリエを訪ねて衝撃を受け、抽象芸術に傾斜。
1931年に初めて制作され、デュシャンによって「モビール」と名づけられた動く彫刻は、
美術史上、造形表現の可能性を解き放った画期的な出来事として、現代アートに影響を及ぼす。

1998.3.25 アメリカ発行


切手

《サリエラ(黄金の塩壺)》

ウィーン美術史美術館

チェリーニ Benvenuto Cellini  1500-1571

イタリア・ルネサンス期の彫刻家、金工家。フィレンツェに生まれ、金工家の工房で修業したのち1519年ローマに移り、ここで約20年間彫刻と金工品の制作に従事した。ローマ在住 中、ライバルの金工師との決闘や公金横領の罪で投獄された。しかしフランソワ1世に招かれて1540年に渡仏、1543-44年にフォンテンブロー宮殿の内部装飾のため、『ニンフ像』、神話をモティーフにした「銀製燭台」などを制作した。1545年フィレンツェに戻り、ここでメディチ家のコジモ1世の支援をうけて、バルジェロ美術館の壮大なブロンズ製の『コジモ1世像』や大理石の『ナルキッソス像』、ロッジア・デイ・ランツィにあるブロンズ製の『ペルセウス像』などを制作した。また、酒、決闘、公金横領、投獄、逃亡など波乱に富んだ生涯や、クレメンス7世、フランソワ1世、コジモ1世時代の世相、芸術家のエピソードを交えながら自分の作品について語った『自叙伝』は、美術史上の貴重な資料たるにとどまらず、自伝文学としてもすぐれた作品と評価されている。

フランソワ1世のために作られた〈サリエラ〉は金工家としてのチェリーニの代表作の一つ。形態は楕円形で、海神ネプトゥヌスと大地の女神テルスが海馬とドルフィンの間に横たわり、コショウを入れる凱旋門と塩入れの船からなる。台座の浮彫人物像のポーズは、メディチ家の墓碑に横たわるミケランジェロの人物像からとられている。アンリ2世からオーストリア皇帝に贈与され、ウィーンの美術史美術館に所蔵。2003年3月盗難に遭ったが、2006年1月に発見された。

1971.3.22 オーストリア発行

【美術財宝〈器〉】


切手    切手

     《ダビデ像》 (部分)

ミケランジェロ Michelángelo Buonarroti  1475-1564

レオナルド・ダ=ビンチ、ラファエロと並ぶ後期ルネサンス期の代表的芸術家。
1488年ギルランダイオの工房で絵画を学び、翌年彫刻家ベルトルドに師事。1590−1592年 ロレンツォ・ディ・メディチの庇護を受ける。その後、ボローニャ、ヴェネツェア、ローマに旅し、以後フィレンツェとローマで活動。彫刻は、ドナテロ流の力強い写実性と古典古代の理想主義との融合を特徴とし、フィレンツェ市庁舎の前に立てた《ダビデ像》(1501-04 フィレンツェ アカデミア美術館蔵)などが代表作。彼の作品はルネサンス芸術の最高峰であると同時に、激しい表現性のゆえにバロック芸術の先駆ともなった。

1986.5.5 ドイツ連邦共和国発行

【空気浄化】 【水質保全】 (ヨーロッパ)


解説は平凡社マイペディア(カルダーのみ「カルダー展」のパンフレット参照)より

イタリア編 へ       ◆ その1 へ       ◆ その2 へ       ◆ その3

>>Stamp Album