Art Gallery

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《葡萄と柘榴》

1763年頃 画布 油彩 47×57cm ルーブル美術館所蔵

シャルダン Jean Baptiste Siméon Chardin  1699-1776

フランスの画家。1728年無審査の「青年画家展覧会」に『アカエイ』『食器棚』(ともにルーブル美術館蔵)を含む10点ほどの作品を出品。その力強い色調と巧みな構図によって認められ、アカデミー会員となった。丹念な筆致によって写実的に描いた作品は、色彩を混合せずに並置することによって対象上の光の反映をみごとにとらえている。

1997.9.27 フランス発行


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《牝馬と子馬のいる風景》

スタッブス George Stubbs  1724-1806

イギリスの画家。なめし革業者の息子としてリバプールに生まれる。与えられた模写の仕事を嫌って師のもとを去り、その後独学で美術を学んだ。1740年代にはイングランド北部で肖像画家として仕事をしながら、1745年から1751年までヨークの病院で解剖学を勉強した。現存している最初期の作品は1751年に発行された助産術のテキストの挿絵である。1760年代には馬の絵画を多く描いており、これらの馬を描いた作品でもっとも知られている。1770年代には最初の犬の絵画を描き、1770年代から1780年代にかけては異国の動物の作品も多く描いた。1790年代初めに皇太子時代のジョージ4世の後援を受け、1791年には皇太子の騎乗姿の絵を描いた。

1967.7.10 イギリス発行


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《雄牛を殺すエル・シッド》

ウィーン・アルベルティーナ美術館所蔵

ゴヤ Francisco José de Goya y Lucientes  1746-1828

スペインの画家、版画家。王立タペストリー工場のために制作した多くの下絵によって認められ、1789年にはカルロス4世の宮廷画家となる。「師は自然とベラスケス及びレンブラント」と自身で語っているが、事物の明暗を見きわめ真実を描出しようとする制作態度は作品に強い精神性をもたせるにいたっている。1799年宮廷首席画家となり、スペイン第一の肖像画家として着衣および裸体の『マハ』をはじめ『カルロス4世とその家族』など多くの傑作を制作。他方、ナポレオン軍侵入が招いた殺戮の歴史を的確に描いた『1808年5月3日』や、『ロス・カプリーチョス(気まぐれ)』など社会的、風刺的な意味の強い、しかも注文以外の大作をも多く描いている。1792年に聴覚を失ったが、逆に幻想豊かな戦慄すべき名品を生む要因となった。1824年フランスのボルドーに亡命し、客死。

1969.9.26 オーストリア発行


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《月を眺める男と女》

ベルリン国立美術館所蔵

1974年 ドイツ連邦共和国発行

フリードリヒ Casper David Friedrich  1774-1840

ドイツの画家。コペンハーゲンで学んだ後、ドレスデンで制作した。1807年に祭壇画として『山上の十字架』を描き、その斬新な風景の扱い方によって論議を巻き起こした。彼が描く神秘的で瞑想的な自然の相貌は、形而上的世界へのロマン主義的な憧憬と人間の孤独をあますところなく伝える。19世紀末の象徴主義の展開とともに再評価され、現在ではドイツ・ロマン主義絵画を代表する画家とされている。
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《月を眺める2人の男》

1819年 画布 油彩 35×44cm
ドレスデン国立絵画館所蔵

《人生の諸段階(眺望)》

 
ライプツィヒ美術館所蔵

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《ドレスデンの大猟場》

ドレスデン国立絵画館所蔵

《エルベ河の谷の眺め》

ドレスデン国立絵画館所蔵

1974.7.16 ドイツ民主共和国発行


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《平和・海上の葬儀》

1842年 画布 油彩 87×86.5cm テイト・ギャラリー所蔵

ターナー Joseph Mallord William Turner  1775-1851

英国の代表的風景画家。ロンドン生まれ。理髪師の子に生まれ、幼少時から油絵、水彩画に親しみ、王立アカデミーに学び、27歳でアカデミーの正会員となる。同年初めてフランスに旅行、プーサン、ロランらの影響のもとに古典的風景画を描いたが、1819年のイタリア旅行後、自由奔放に光と大気の相を追求し、ダイナミックな光の効果を駆使して同時代のコンスタブルと対照的な幻想的・象徴的な画境をひらいた。彼の色彩画法はその後モネをはじめ印象派の画家たちに大きな影響を与えた。孤独を愛し、チェルシーの下宿屋に変名で隠遁生活を送り、知る人もなく世を去った。死後約2万点の作品が国庫に遺贈され、ロンドンのテイト・ギャラリーに所蔵されている。

友人の画家・ウィルキーの死を悼んで描かれた作品。

1975.2.19 イギリス発行

【ターナー生誕200年】


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ペローの童話挿絵より《青ひげ》

ドレ Gustave Doré  1832-1883

フランスの挿絵画家、版画家。ストラスブールに生まれれる。1847年にパリに出て、フィリポン の『笑い時報』に協力。1854年以降、膨大な量の書物の挿絵を描き、国際的な名声を得る。『パンタグリュエル』(ラブレー)や『風流滑稽譚》(バルザック)は滑稽味を混じえた幻想性にあふれ、『神曲』(ダンテ)、『ドン・キホーテ』(セルバンテス)ではロマン主義的な情念のドラマを壮大な背景の中に現出させている。ゴッホに感銘を与えた『ロンドン』ではレアリスムの側面も見せた。1870年代からは油絵や彫刻作品も手がけた。

1983.6.18 フランス発行


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《穀物をふるう人》

1848年 ルーブル美術館所蔵

ミレー Jean-François Millet  1814-1875

フランスの画家。ノルマンディーの農家に生まれ、シェルブールで絵を学ぶ。1837年奨学金を得てパリに行き、ドラローシュに師事し、ルーブル美術館でドーミエやプーサンの作品を研究。1848年バルビゾンに移住、コロー、ディアズ、ルソーらの風景画家と交友、バルビゾン派の一人となった。貧困と闘いながら『落穂拾い』や『晩鐘』などの真摯な態度で農民生活に取材した一連の作品を制作、独特の詩的情感とメランコリックな雰囲気の漂う作風を確立した。1874年政府からパンテオンの礼拝堂に装飾画を描く注文を受けたが、着手しないうちに病没。素描やパステル画も残した。

1971.4.3 フランス発行


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《マルゴの肖像》

1878年 画布 油彩 46×38cm パリ・オルセー美術館所蔵

ルノアール Pierre-Auguste Renoir  1841-1919

フランスの画家。リモージュに貧しい仕立屋の子として生まれる。4歳の時一家とともにパリに移り、セーブル製陶工場で徒弟として働いた。1862年グレールのアトリエに入り、そこでモネ、マネらと交友。1874年第1回印象派展に参加。1880年代一時アングルに傾倒し、厳格な線描と淡い色彩による古典様式の絵を描いた。1888-89年に南仏エクスでセザンヌとともに制作。以後、虹色、オレンジ、赤を主調とした色彩による人物、風景を描き、色彩家として独自の画風を発展、大成させた。晩年には彫刻の制作にもたずさわった。

1968.11.9 フランス発行


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《ジェニエ爺の2輪馬車》

1908年 画布 油彩 97×129cm パリ・オランジュリー美術館所蔵

ルソー Henri Rousseau  1844-1910

フランスの画家。マイエンヌ県のラバル生まれ。1862-66年に一兵士としてメキシコに滞在。1869年より税関の職員として勤め、仕事の余暇に絵を描き、1885年から職業画家となった。1897年に『眠るジプシー女』(メトロポリタン美術館蔵)を発表。素朴で単純な形態と抒情的な幻想の世界はコクトーやアポリネールにも注目された。1900年以後多くの大作を描いた。パリの情景や熱帯地方のエグゾティックなテーマを素朴な筆致で明快に描き、童話的・空想的な独特の世界を展開。素朴派の祖とされる。

ジェニエ一家はルソーが親しくしていた食料品屋。晴着を着て出かけるところを描いた作品。

1967.4.15 フランス発行


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《ボルガの船曳き人夫》

1870-1873年 サンクトペテルブルク・ロシア美術館所蔵

レーピン Il'ya Efibovich Repin  1844-1930

ロシアの画家。ウクライナのチュグーエフ生まれ。1863年ペテルブルク美術学校に入学。1869年奨学金を得てフランス、イタリアを旅行した。帰国後、当時のナロードニキ思想の影響のもとにロシア社会を描写。1900年にフィンランドに亡命し、革命後も帰国せず同地で没した。写実的な手法で歴史画、肖像画を描き、激情的な瞬間の描写を得意とした。
『ボルガの船曳き人夫』は彼の代表作であり、労働の厳しさと社会体制に対する批判をこめて社会主義リアリズムの先駆となった。

1969.8.5 ソヴィエト連邦発行


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《アルプスの昼どき》

セガンティーニ Giovanni Segantini  1858-1899

イタリアの画家。アルプス南麓のアルコ生まれ。幼時に孤児となり、牧童生活を送りながら絵を独学。一時ミラノの美術学校に学んだが、再びアルプス山中に入り、アルプス風景や農民、牧人生活を主題とした作品を制作。初期の作風は写実主義的であったが、やがて新印象主義に近い点描画法を用いてアルプス特有の光の効果を巧みに表現し、独特の清澄な画風を確立。また1890年頃からはしばしば象徴的、神秘的傾向の作品を描いている。

1999.9.24 スイス発行

【セガンティーニ生誕100年】


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《郵便配達夫ジョセフ・ルーラン》

1889年4月 画布 油彩 65×54cm クレラー=ミュラー美術館所蔵

1990.4.9 ベルギー発行

【切手の日】

ゴッホ Vincent Willem van Gogh  1853-1890

後期印象派を代表する一人。ベルギー国境に近い小村のフロート・ズンテルトの牧師の家に生まれ、中学卒業後美術商のもとで働いたり、牧師職につこうとしたりしたが成功せず、1880年ブリュッセルの美術学校に入学。弟テオドールの援助のもとにエッテル、ハーグ、アンベルスなど各地を転々としながら『馬鈴薯を食べる人々』など農民の生活に取材した作品を描いた。1886年パリに出て、印象派や浮世絵の影響下に明るい色彩に転じた。その後、ゴーギャンとの交友、別離を経て1890年に狂気のうちに自殺を遂げるまで、アルルやパリ周辺の風景、自画像などを好んで描き、奔放なタッチと強烈な色彩により苦悩に満ちた魂を表出した。フォービズム、表現主義に与えた影響は大きい。

アルル時代の作品。ルーランはゴッホが病気の間よく面倒を見てくれた人物。
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《自画像》

オランダ発行


解説は平凡社マイペディア、世界大百科事典及びブリタニカ国際大百科事典より (スタッブスのみウィキペディア参照)

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