【中国古典文学名著 《聊斎志異》】

清初の作家蒲松齢(1640-1715)が民間伝承から取材、豊かな空想力と古典籍の教養を駆使した巧みな構成で、怪異の世界と人間の世界を交錯させながら写実的な小説にまさる「人間性」を見事に表現した中国怪異小説の傑作。(岩波文庫カバーより)
最初に入手したのは第一集の「阿宝」。カタログを見る機会がある前だったので、何やら文学らしいな、とは思ったものの、何の話かは分からなかったのですが、zcz様に『聊斎志異』所収のお話と教えていただけました。ありがとうごさいました。
幽鬼や狐などが当たり前のように登場するお話ばかりなのですが、一つ一つが短めということもあって読みやすく、中国という国のお国柄も出ていてなかなか面白いです。

〈 第1次 〉

切手 切手
嬰寧 阿宝
切手 切手
画皮 偸桃

2001.4.21 中華人民共和国発行

「嬰寧」  元宵節の日に見かけた娘に一目惚れした王子服。彼女を捜してくれるよう頼んだ従兄が不首尾を隠すためにでたらめを言ったとも知らず、自分で彼女を捜しに出かけることにした・・・

「阿宝」  大商人の一人娘阿宝に恋焦がれた貧乏学生の孫子楚。飼っていた鸚鵡が死んだのを見て、この身が鸚鵡になれたら、と思っているうちに魂が乗り移り、阿宝のところへ飛んでいって・・・
ここまでやっちゃったら、相手の反応としては、ほだされるか、はたまた思いっきり引くか、どっちかしかないですね・・・。

「画皮」  王という書生が道で一人の美人に行き会った。行くところがないというので、家に連れ帰ったのだが・・・
美人の中身は実は・・・という話。しかし亭主の助平心が元凶だってのに、奥さんまであんな目に遭わなきゃいけないというのがなんだか釈然としない私です。

「偸桃」  正月、親子の手品使いが役人に桃を取ってくるように言いつけられた。父親が縄の端を空中に投げ上げると、縄は雲の中まで伸びていく。父親は子どもにこの縄を伝って西王母の庭から桃を盗んでくるよう命じた・・・
筆者が子どもの頃に見た手品だということですが、こんなの見たら確かに、一生忘れられないだろうなあ。

〈 第2次 〉

切手 切手
席方平 翩翩
切手 切手
田七郎 白秋練

2002.4.21 中華人民共和国発行

「席方平」  父親に恨みを持つ羊なにがしが、冥府の役人に賄を使って父をひどい目に遭わせていると知った席方平。魂となって冥府へ行き、父の無実を訴えたが、どこへいってもひどい拷問にあって送り返されてしまう。それでも諦めずに灌口の二郎神を探し出して・・・
「神様に賄賂を贈り〜」なんて歌詞がありましたが、地獄では通用してしまっているという(笑)。
しかし、火あぶりにされても鋸でまっぷたつにされても引き下がらないとは見上げた根性で・・・

「翩翩」  遊蕩のために郷里を離れ、持ち金を失った上に病に罹ってしまった羅子浮は、山で行き会った仙女翩翩に洞府へ案内され・・・

「田七郎」  夢のお告げで猟師の田七郎に交際を求めるようになった武承休。ある日、武の使っていた下僕が事件を起こしたが、有力者が味方について放免されてしまった上、叔父が巻き添えで死んでしまった。そこで七郎は役所に乗り込み・・・
「首が飛んでも動いてみせるわ」とうそぶいたのは民谷伊右衛門でしたか、 これは首が飛んでも敵討ちをした話。むりやり恩義をかけられた七郎氏が少々気の毒な気がしないでも・・・

「白秋練」  商人の息子慕蟾宮は、詩を吟じていたのが縁で白秋練という娘と恋仲になった。しかし蟾宮の父親がなかなか結婚に同意せず・・・


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