Literature




  

「真夏の夜の夢」      「ヘンリー5世」


シェイクスピア William Shakespear  1564-1616

イギリスの詩人、劇作家。イングランド中部のストラトフォード・オン・エイボンに生まれる。 1585年前後にロンドンに出たらしく、1592年には新進の劇作家兼俳優として名を挙げていた。 処女作は『ヘンリー6世』三部作。やがて喜劇と史劇の円熟期を迎えて『ヘンリー4世』や『十二夜』を頂点とする大喜劇が書かれた。1600年前後から四大悲劇『ハムレット』『オセロ』『リア王』『マクベス』を書く。晩年にはロンドンを去って故郷に隠退した。死んだ日と誕生日が同じ4月23日とされているが、伝記資料は確証のないものが多い。

1964.4.23 イギリス発行
【シェイクスピア生誕400年】



エマとウッドハウス氏


ジェイン・オースティン Jane Austen  1775-1817

英国の女性小説家。牧師の娘として生まれ、平凡な人生を送ったが、その作品は平凡で平和な田園生活の中の人間的ドラマを描き尽くして、イギリス小説の一頂点と称されている。若い男女の恋愛や演壇を好んで題材としており、その鮮明で的確な性格描写、構成の巧みさはイギリス小説中屈指のもの。作品は、『良識と感受性』(1811)、『高慢と偏見』(1813)、『エマ』(1815)、『マンスフィールド・パーク』(1814)、『ノーサンガー僧院』(1818)、『説得』(1818)。

1975.10.22 イギリス発行




キーツ John Keats  1795-1821

英国のロマン派詩人。ロンドン生まれ。1811年外科医の徒弟となり医者の資格を得たが、医業にはつかず、肺結核療養のために赴いたローマで客死するでの短い生涯に、英詩史に残る数々の傑作を書いた。特に『聖アグネス祭の前夜』『つれなき美女』『ギリシアの壺によせて』『ナイチンゲールによせて』『秋によせて』などの生まれた1819年は驚異の年と呼ばれる。未完の長詩『ハイピアリオンの没落』のほか、詩に関する深い洞察を含んだ書簡集も重要。

1971.7.28 イギリス発行




ハーディ Thomas Hardy  1840-1928

英国の小説家、詩人。英国南西部の酪農地帯ドーセット州ドーチェスター近郊の小村に石工の子として生まれる。初め建築の仕事についたが、文学にも志し、1874年の小説『狂乱の群衆を離れて』などで名声を得る。続いて『帰郷』(1891)、『カスタブリッジの市長』(1886)、『テス』(1891)、『日陰者ジュード』(1985)等を発表。いずれも舞台を故郷にとり、ウェセックス小説と総称され、非情な運命にもてあそばれる人間の姿を描いている。その後小説の筆を断って詩に転じ、ナポレオン戦争を題材とした叙事詩劇の大作『覇者たち』全3部(1903-08)を書きあげ、以後は抒情詩の制作に専念、詩人としても卓越した地位を占めた。

1990.7.10 イギリス発行




シャーロット・ブロンテ Charlotte Bronte  1816-1855

英国の小説家。ブロンテ姉妹として知られる3人の長姉で、ヨークシャーの田舎の牧師を父とし、幼くして母を失った。少女時代から空想的物語『アングリア』を弟ブランウェルと共作するなど、創作に熱中した。一時は私塾経営を企画して、その準備にブリュッセルに留学。帰国後妹たちと共著の詩集を自費出版。小説に転じ、カラー・ベルの筆名で発表した第2作『ジェーン・エア』で有名になった。ほかに『教授』(1857)、労働争議や社会問題を扱った『シャーリー』(1849)、自伝的な『ビレット』(1853)などがある。1854年牧師ニコルズと結婚。悪性の悪阻のため翌年死去。
『ジェーン・エア』は孤児として育った同名のヒロインが、住み込みの家庭教師として雇われた家で主人のロチェスターと恋に落ちるが、彼に精神を病んだ妻がいることを知って出奔、再び彼のもとに戻るまでの波瀾に満ちた半生の物語。

1980.7.9 イギリス発行




エミリ・ブロンテ Emily Bronte  1818-1848

英国の小説家。ブロンテ姉妹の2番目。筆名エリス・ベル。少女時代、姉や弟妹と合作で空想的な物語を書くことに熱中。妹アンと共作した『ゴンダル物語』は現存しないが、これによって養われた奔放な想像力は、詩作や小説『嵐が丘』(1847)においてみごとに結実した。『囚人』、『わが魂は怯懦ならず』などの詩篇によって詩人としても特異な地位を占めている。
『嵐が丘』は同名の屋敷に拾われた浮浪児ヒースクリフの、愛する女性キャサリンへの執念と、愛を阻んだものへの復讐を描く。荒涼とした自然を背景に描かれた情熱の激しさ、ゴシック的要素をとりこんだ複雑な物語構造などで高く評価される。

1980.7.9 イギリス発行




ウェルズ Herbert George Wells  1866-1946

英国の小説家、文明批評家。服地屋の店員から身を起し、理科師範学校(現ロンドン大学理学部)を卒業、教師として身を立てるうち、『タイム・マシン』(1895)で文壇に登場。未来小説またはSFの元祖として『透明人間』(1897)、『宇宙戦争』(1898)などで知られるが、のちに写実主義に向かい、『キップス』(1905)で下層、中流階級の生活を喜劇的に描き、『トーノ・バンゲー』(1909)では19世紀イギリス社会崩壊の諸相を題材とした。また、進化論的・社会主義的世界観をもとに独特の文明批評でも大きな影響を与えた。『世界文化史大系』(1920)などの歴史的著述もあり、百科全書的ジャーナリストとしてめざましい活躍をした。

1995.6.6 イギリス発行

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