Literatur

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ΑΡΗΣ

【アレス】 ゼウスと正妻ヘラのあいだに生まれた軍神。しかしアテナとは違い、ひたすら殺し合いを喜ぶ凶暴な神。しばしば戦場で英雄に傷つけられ、不名誉な姿をさらす。
一説によると、アマゾンは彼の子孫ということになっている。
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ΑΘΗΝΑ

【アテナ】 父をしのぐ男児が生まれるという予言を聞いたゼウスは妻のメティス(知恵)を呑み込んでしまい、彼女はゼウスの頭から完全武装の姿で生まれた。
知性とあらゆる技芸・工芸の守り神であり、戦いの女神でもある。
またアテナイ市の守護神とされ、パルテノン神殿に祀られている。
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ΗΦΑΙΣΤΟΣ

【ヘパイストス】 ゼウスがアテナを生んだのに対抗して、ヘラが独力でつくった子。あるいは ゼウスとヘラの子だが、両親の夫婦喧嘩のおり母親に味方してゼウスに天から放り投げられたとも いう。いずれにせよ足が悪いということになっている。
火と鍛冶の神で、アキレウスの武具も彼が作った。
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`ΗΡΜΗΣ

【ヘルメス】 ゼウスとマイアとの息子でゼウスの末子。富と幸運、商売、通訳、泥棒、死者を冥界へ導く神であり、また旅人を守る神として彼の頭部を彫り込んだヘルマイと呼ばれる角柱が道路に建てられた。若い美しい青年で、翼の生えた帽子をかぶり、手に布告使の徴の小杖ケリュケイオンをもち、有翼のサンダルをはいた姿で現される。産まれてまもなくアポロンの飼っていた牛を盗み出して隠した。怒ったアポロンはゼウスに訴えたが、ヘルメスの発明した竪琴が気に入って牛と交換した。ゼウスは彼を自分と地下の神々の使者に任じた。彼はこの役目のため時にはペルセウスやヘラクレスなどの英雄を導く役割を果たし、特にヘラクレスやオデュッセウスなどの冥界行きに協力した。イオの番をしていた怪物アルゴスを退治し、またパリスの審判では女神たちをパリスのもとまで案内した。
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ΑΦΡΟΔΙΤΗ

【アフロディテ】 愛、美、豊饒の女神。ゼウスとディオーネーの娘とも、クロノスに切り取られて海に投げ込まれたウラノスの陽物のまわりに泡が湧きおこり、そのなかから生まれたとも言われる。ヘパイストスと結婚したが軍神アレスと通じ、エロスなどが生まれたという。 一番美しい女神を決めるパリスの審判ではパリスに一番美しい人間の女性ヘレネを妻として与えることを約束し、アテナとヘラを破ってその栄冠を勝ち取った。しかしスパルタ王メネラオスの妻であった彼女をパリスにトロイアへ連れ去らせたためにトロイア戦争が始まった。自分を崇めない者には峻烈な罰を下す恐ろしい女神でもある。
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ΑΠΟΛΛΩΝ

【アポロン】 ゼウスとレトとの息子でアルテミスの双子の兄弟。音楽、予言、医術、弓矢、牧畜の神。デルポイで大蛇ピュトンを射殺し、その神託所を自分のものにする。レトよりも子供の多いことを自慢したニオベを罰するためにその子供たちをアルテミスとともに殺した。コロニスとの間に医神アスクレピイオスをもうけている。美しい青年として想像され、多くの恋物語があるが、悲恋の結末が多い。
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ΔΗΜΗΤΗΡ

【デメテル】 穀物の生育をつかさどる大地母神。クロノスとレイアの娘でゼウスの姉妹。ゼウスとの間にペルセポネを生んだが、冥界の神ハデスがこの娘に恋し、ゼウスの助力のもとに彼女を誘拐すると冥界へ連れていった。デメテルは松明を片手に何日も探し回り、太陽神ヘリオスに一部始終を教えられると、憤って天界を捨て、エレシウスというところで自分を祀る神殿を造らせ、そこに身を隠した。彼女が天上に帰らないので、大地は実らず、人々は困り、ついにゼウスはペルセポネを返すようハデスに命じた。しかしペルセフォネはハデスにもらったザクロの実を一口食べてしまったため、一年の三分の一をハデスとともに暮らすことになった。
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ΠΟΣΕΙΔΩΝ

【ポセイドン】 クロノスとレアとの息子でゼウスの兄弟。海の神で三つ又の矛を持った姿で描かれる。后からは息子トリトンや太陽神ヘリオスの妻となったロデーが生まれたが、あちこちの河の神の娘や女怪の類にも恋しており、生まれた子供の多くが天馬ペガサスや一つ目巨人ポリュペモスなどのように怪物的なものである。

1986.2.17 ギリシャ発行

参考文献:
『ギリシア神話』 高津春繁・著 岩波新書
『ギリシア神話』 中村善也/中務哲郎・著 岩波ジュニア新書
ギリシャ語の読みを調べて下さったHIDEN様、ありがとうございました。

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